雨の一日でした
時計草の蔓にでんでん虫
殻を伝って雨の雫が零れ落ちそう
その雫は宝珠のようでもあり
涙のようでもあります
ふと、新美南吉さんの物語を思い出しました
『でんでんむしのかなしみ』
「わたしは いままで うっかりして いたけれど、わたしの せなかの からの なかには かなしみが いっぱい つまって いるのでは ないか」
ということに気づいたでんでんむしは、このかなしみをどうしたらよいのか、尋ね歩きます。
そして、だれもみな かなしみを持っているのだということを知るのです
やっぱり、あの雫は涙だったのかなあ
ででむしの殻より溢るる涙かな
涙は優しさという宝珠かもしれないですね
かなしみを知る人こそ真に優しいですものね
(『でんでんむしのかなしみ』新美南吉作、かみやしん絵、大日本図書)
おまけ‥‥ででむしや分岐点で立ち停まる
ででむしの歩みの先は夢の中
おやすみなさい