50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

町内の者が二、三人・・・

2015-01-12 22:30:06 | 小説
町内の者が二、三人帰宅を急ぐが、皆余所よそしくて余所よそしく接していた。見慣れた風景がすらすら推移のは無事な証拠さ。そのような言葉が、<地図>の殺人犯の妹に対した言葉がなぜか浮かび、雄吉を落ちつかせた。「英次、ご苦労だったね。おかえり」英次・・・・・・と。・・・・・・黙って俯き勝ち息子に変化は?。
肩を並べて、父子は仄暗くなった道にくる。
「うん。何か知ら今日は面白かったんだよ」
と英次はスーパー・マーケットの角をみつめる。住宅街へと珍しく雄吉を一歩後ろにしてそういうのだ。それは雄吉にこういわせた。
「面白かったんだって?」
そういえばリュックを手に提げる英次は、雄吉の目に初めてのことなのだし、そういって踊る胸であり、雄吉はできるなら英次の頭の中を覗いて見たい衝動にかられる。暇な時間帯にあるスーパー・マーケットのだだっぴろい店内から、不夜城のような照明で父子を浮き立たせていた。

(つづく)