50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「逆説なの。ごめんなさい・・・

2015-01-21 20:21:55 | 小説
「逆説なの。ごめんなさい。今本当のことを明かします。ぼくは」
と英次は突然深々と頭を父親の前に垂れて、その姿勢から、「ここ二ヶ月間は、ぼくはほとんど正常に戻っていたのです、ただ切っかけが欲しかった・・・・・・騙していたのでした。一種復讐のつもりだったのかも知れなかった。それが今日つくづく」
「バカげていると悟った。それは回復期が必要だったということで、欺いたのでもまして復讐でもない。そんなにいわんで貰いたい」
「今日、公園でいろいろあって、それからお堀の橋を渡って帰ろうとした時でした。さっきお話した車に出あい、ぼくの生活の何らかの欠如がつくづく知らされていた。親に甘えていて勝手すぎるじゃないかって。今も逆説とかと、おとうさんと試していたのですよ。あなたの返答次第でこういうつもりだったのですから。ぼくを知ってて街に出したわけ、公園に遊ばせてくれたわけ」

(つづく)