英次の前方に出て眺めたがっている、白髪頭に思いつくのは、英次の幼い時分の、秀才の父の子は秀才に決まったものなのだから勉強しろといった文句を、今思い出を装って、軽くいって見ようか。試すのも息子に悪い気もするが。しかし。
「英次」
と親しみをこめて肩口に指先を当てる。
「どうもネアカのパパなので、英次が毎日公園に出かけた後、こう考えていた。頭のよい子だったのだし、英次は、今日こそ立ちなおる、いやさぞ立派な仕事をして帰るんだ・・・・・・がついその裏でな・・・・・・」
今では安堵しながらいた始末でな・・・・・・。そうしてから雄吉は、店舗の明かりを背にする英次を見て行った。公園の英次に今日何事かがあったのは事実のようだった。
そのバス停から小沢家へと住宅街を通って行く。その道は五年近く、英次に従って行く雄吉を見た、黄昏時であって、英次がたわいなくものをいい、雄吉が沈黙を一方的に強いられていた。それは旅行帰りの児童と父親のような風景、日々に繰り返していたものだった。・・・・・・
(つづく)
「英次」
と親しみをこめて肩口に指先を当てる。
「どうもネアカのパパなので、英次が毎日公園に出かけた後、こう考えていた。頭のよい子だったのだし、英次は、今日こそ立ちなおる、いやさぞ立派な仕事をして帰るんだ・・・・・・がついその裏でな・・・・・・」
今では安堵しながらいた始末でな・・・・・・。そうしてから雄吉は、店舗の明かりを背にする英次を見て行った。公園の英次に今日何事かがあったのは事実のようだった。
そのバス停から小沢家へと住宅街を通って行く。その道は五年近く、英次に従って行く雄吉を見た、黄昏時であって、英次がたわいなくものをいい、雄吉が沈黙を一方的に強いられていた。それは旅行帰りの児童と父親のような風景、日々に繰り返していたものだった。・・・・・・
(つづく)