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教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

関係の方へ 1

2017-06-24 14:51:37 | 教育相談
教育の活動について触れてみます。

以下は、別のブログにアップしているものですが、より多くの方に見ていただき、参考になればと考えて・・・ こちらにもアップすることにしました。

 今回は教育の活動全般についてのものです。
 少し読んでいただけると、教育の全体像を知ることができて参考になるのではないかと思っています。
 但し、概略としましたので、厳密な定義的な内容ではないと思います。あまり厳格には見ないでください。
 学者の方が、論理を構築するようなものだはありません。ご了解のほどをお願いいたします。

 
 教育の意義・目標等、及び具体的な活動

1 教育の意義・目標
 はじめに、教育の意義や目標について考えてみることにする。教育の意味についても多様な考えがあり、端的に述べることは難しいので、ここでは簡潔に「文化の継承と発展を目指した活動」、それから「個の人間性を高めるための活動」と考えておきたい。
 人間の場合は、教育という活動によって、学問や芸術、知識や技能、風俗や習慣等の多くのものを先に生きた人から受け継いで、それを活用して生活し、さらに工夫等を加えてより高め、豊かな生活を築いていくという生活を連綿と続けて来た存在である。「人は唯一、教育という活動によって人になることができる」という言葉は、人間にとっての教育の大切さを述べていると考えられる。
 また、教育によって、豊かな人間性を育てることも大きな意義があると考えられる。教育のさまざまな活動の中で、それぞれの個の持っている可能性や人間性が開発されて、さらによりよい社会を築いていくことも大きな目標であると考えられる。 

2 教育の具体的な活動
 教育には、いろいろな場所や機会で行われる活動があるが、ここでは学校を中心に行われる学校教育について考えていきたい。
 それぞれの学校では、それぞれの状態に応じて学校の活動目標を設定する。次代の人たちにどのような学習内容を伝えていくか、またどのような特性を持った個人を育てていくか、それらをはっきりとわかりやすく表現して明確にすることは、それぞれの学校における教育の内容や質を規定するために必要なことである。
 次に、教育の活動を具体的に考えてみる。あまり厳格に考えると記述できなくなってしまうので、一応次のように考えてみたいと思っている。
 少し便宜的になるが、教育の活動を、教育という語の「教」と「育」について考えてみることにしたい。
 教育の「教」の部分は、教える活動、あるいは学習者から見れば学ぶ活動であり、「育」の部分は育てる活動と考えることができる。育てる対象となるのは、人の人間性の部分であり、本来、人が可能性として持っている要素をよりよく発現させ、優れた人間性を持つ個人を育てることが目標であると考えることができる。「育」は教える活動の中でも当然に育まれることである。

3 教育課程について
 学校の教育目標を実現するために、それぞれの学校で教育課程が作られる。この教育課程は、個が入学してから卒業するまでの学校生活の中での身に付ける学習内容や、生活体験等を学年の進行に合わせて体系的に並べたものと考えられる。
 学校の中で行われるすべての活動は、教育課程の中に位置づけられ、その意義や活動目標がはっきりと示されている。
 わかりやすく言えば、ある学年のある活動内容は、その意義や目標があらかじめ決められているということであり、それぞれの活動を可能な限り、目標追及的に行い、それを教育課程に沿って着実に行っていくことで、学校の教育目標を最終的に実現しようということである。よりよい、より適切な教育課程を継続的・意識的に開発していくことも教育活動の大きな課題である。


4 組織化と職員の配置
 各学校で示される教育目標の実現のためには、その実現を可能にする組織が形成される必要がある。学校における組織とは、職員を一定の役割や権限、責任を持つ職位に基づいて、一定の形に編成したものである。一般的には、管理職から、主任・主事、一般教職員という形に、ピラミッド型に配置されるのが普通の形態であろう。但し、学校はその特性から、一般の企業や官庁に比較すれば、必ずしも完全なピラミッド型というわけでもないのが特徴であろう。
 それぞれの役割と権限等については省略するが、また、学校内には分掌という形で、いろいろな部等がおかれている。
 今日の教育活動の変化によって、分掌組織も変化してきているが、基本的には以下に示すような形態が多くみられるであろう。
 管理職の存在のもとに、①教務部 ②生徒指導部 ③進路指導部 ④保健部 ⑤渉外部 ⑥事務部 等がおかれる。その他の分掌がおかれることもあるだろうが、基本的な形態は上記のような形であると思われる。各部には主任または主事がおかれていることが多いが、その名称は学校により多少の違いもある。
 この他にも、学校内の各まとまりとしては、教科、学年があり、それぞれに人員が配置されている。
 但し、各職員は一つの分掌のみを担当するということではなく、現在の学校の人員の数的な面から、複数の分掌を担当して忙しく活動しているというのが現実であろう。
 ここでは分掌の配置について記したいわけではなく、各部等の意義や役割について確認するのが目標である。
 教育目標の実現のためには、各部の果たすべき役割や活動が大切になる。何を目的にしてどのように活動することが必要か、明確に意識して活動することが極めて大切なことであろう。
 
①教務部
 学校における教務部の意義・役割は極めて大きなものがある。教務部の活動は学校の活動全般にかかわっていると考えられるからである。
 特に、教育課程を編成しそれを計画的に着実に実行すること。出欠席の管理、教科の活動の管理、成績評価と管理、特活、LHR、教科内クラブ活動の運営管理、教科外の活動の企画と運営・管理、入学式・卒業式をはじめとする各種の行事の企画と運営等々、学校で行われるすべての活動が教務の活動と言っても過言ではない。
 加えて、教育課程を常に見直し、より適切で効率的なものにすることも教務部の活動目標である。この部をまとめる主任の役割は極めて大きいと考えられる。
 学校の教育活動を意義あるものとするには、教務部が所管する内容について、明確に意識して活動を行うことが大切と考えられる。
②生徒指導部
 生徒指導は学習指導と異なる特性を持っている。学習指導は領域の概念に基づいて形成されているのに対して、生徒指導は機能の概念に基づいて意義づけられている。生徒指導部は、学校生活のいかなる分野でも、いかなる時でも、すべての構成員によって行われる活動である。しかし、何をどのように行うかについては必ずしも明確ではないので、行う目標や行う内容が曖昧なものになりやすい特性を持っている。
 生徒指導の活動を明確化し、学校の各種の活動の中に明確に位置づけ、役割分担等も図りながら、組織的に実践していくことは今後の大きな課題であると考えられる。
 生徒指導が、教育相談の活動も含みながら日常的にきちんと実践されるかによって、学校の教育目標の実現に大きな影響を与えると考えられる。
 とは言え、生徒指導の活動は、ともすると力による活動になりがちな特性も持っている。本来的な生徒指導は、力によって行われるものではなく、科学的な知見や理論、技術に基づいて行われるものであることは言うまでもないことである。
 生徒指導の目標は、一言で言えば自己指導能力の育成である。学校や社会の中で、規則や規範、正邪善悪、よい風俗や習慣を守りながら、自分らしく生活し、自己の目標の実現等、将来に向かって一歩ずつ着実に歩もうとする力、生きる力を育てることである。
 また、他者の感情に共感し尊重することのできる心を育て、他者との協力関係の中で社会を担うことができる力を育てることである。
 生徒指導の方法としては、従来からの生活指導、交通安全指導、中・高の部活指導等、全体に対しての講話や訓話、規則や規範の指導を適切に行うとともに、今日の高度で複雑な社会の状況の中では個々の児童生徒に対する個別指導を十分に行うことも大切である。 成長の年代にある子どもたちは、ともすると、独りよがりの自己中心的な行動を行うこともあり、特に自己中心的な風潮の見られる今日的な時代の中では、全体指導に加えて個別指導を十分に行うことが大切であると考えられる。
 また、最近では、インターネットの発達等により新たな問題も生じてきている。ネットいじめ、トラブル、薬物・飲酒、喫煙の問題等について、自ら自分の身を守る力を育てること。不登校、意欲の欠如、情緒の不安定、その他心の問題の増大の傾向にある。これらに対しては、学年・学級集団での生徒指導の一環として、グループ・エンカウンターやソーシャルスキル、アサーションのトレーニング等を行うこと、個別の生徒への対応としては、カウンセリングや教育相談の適切な実施等、予防的、治療的、開発的な活動を着実に行うことも大切と考えられる。
 教育課題の解決に当たっては、保護者や地域との連携により活動することも大切であり、問題発生の予防や解決のための協力関係の構築、これらのことも生徒指導の目標である。
学習指導と生徒指導は教育活動の車の両輪であり、これらの活動を子どもの実態に即して適切に行うことで、生きる力の育成や社会の中で自己実現を目指し、幸福と社会の発展を可能にする人材が育つもの考えることができる。
③進路指導部
 進路指導は、学習指導に代表される領域概念と、生徒指導に示される機能の概念と、両方の概念を併せ持つ活動である。
 進路指導を端的に表現すれば、学習者に、自らの将来の姿や生活の仕方、人間としての在り方を考えさせ、明確に意識できるようにすることである。
 職業の意義や社会状況を学ぶという観点では領域であり、自ら考え歩むという観点では機能の活動である。
 進路指導を具体的に実践する場合には、以下に示す6つの領域・機能を実践することが必要である。
 学習者に、○進路に関する情報を与える、あるいは得る機会を与えること。 ○職業・働く機会等を実際に経験させてみる、いわゆる啓発的な経験を与えること。○進路に関する相談を行うこと。○学習者が自ら進路を決定する機会を与えること。進路の実現に向けての具体的な行動を促すこと。○進路決定後の追指導を行うこと。
 以上の活動を教育課程の中、及び日常の活動の中で具体的に行うことが進路指導である。
 進路指導部は、6つの活動の中心的な主体として、学校の教育活動を担う役割を持っている。
 その他の部・分掌については、ここでは触れないこととする。





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