ドラフト「怪」説2011「『即戦力』…そいつは食えるのか？」その４

★広島東洋カープ

１位
野村 祐輔 （のむら・ゆうすけ）投手 22歳
右投右打 177cm76kg
広島・広陵高－明治大
藤岡貴裕投手(東洋大)、菅野智之投手(東海大)と並ぶ今ドラフトの「BIG３」の一人。打者を力で圧倒するような凄みはない代わりに、投手としての総合力の高さはピカイチで、故障知らずのタフさも大きな魅力だ。つかみ所のない性格もプロ向き？(笑)

２位
菊池 涼介 （きくち・りょうすけ）内野手 22歳
右投右打 171cm70kg
長野・武蔵工大第二高(現・東京都市大塩尻高)－中京学院大
遠投117ｍの強肩と、50ｍ５秒９の俊足が大きな持ち味。小柄だが走攻守にパワフルなプレーを見せる点は、これからチームの先輩となる梵英心をイメージさせる。その梵が故障中のチーム事情だけに、１年目からレギュラー争いに加わるかも知れない…!?

３位
戸田 隆矢 （とだ・たかや）投手 18歳
左投左打 180cm70kg
鹿児島・樟南高
甲子園出場こそないものの、その存在はスカウトの間でも注目を集めていた九州No.１左腕。MAX145キロの直球と、鋭く曲がって低めに決まるスライダーが武器で、このコンビネーションで三振を奪える投球が光る。足腰をさらに鍛えれば、まだまだ伸びる！

４位
土生 翔平 （はぶ・しょうへい）外野手 22歳
右投左打 180cm81kg
広島・広陵高－早稲田大
高校時代からドラフト候補として注目されていた選手で、バットコントロールの良さに定評があり、甘い球はもちろん、難しいコースの球にも対応できる点が良い。「４位以下の指名ならトヨタ自動車入社」と表明していたが、トヨタと話し合うとのこと。

育成枠
１位
富永 一 （とみなが・はじめ）投手 22歳
右投右打 179cm81kg
徳島・鳴門高－アークバリアドリームクラブ－徳島インディゴソックス
MAX147キロの直球は空振りを奪えるキレがあり、プロとの交流戦でもその威力を披露してソフトバンク・小川一夫二軍監督から高い評価を受けた。今季のリーグ戦では、クローザーとして前・後期合わせて27試合に登板し、27イニングで50三振を奪っている。

２位
中村 真崇 （なかむら・まさたか）内野手 28歳
右投右打 183cm90kg
福岡・東筑高－立命館大－JR東海－福岡レッドワーブラーズ－香川オリーブガイナーズ
右の強打者として、高校時代からスカウトの注目を集めていた大型内野手。パワーとうまさを兼ね備えた打撃が持ち味で、アイランドリーグでは首位打者の経験もある。高年齢だけに１年目から勝負をかけて、一日も早い支配下登録を目指したいところだ。

３位
塚田 晃平 （つかだ・こうへい）投手 22歳
右投右打 192cm89kg
東京・早稲田実業高－早稲田大
高校、大学と斎藤佑樹投手(日本ハム)の後輩にあたる。長身を生かした角度十分の直球はMAX144キロだが、数字以上の威力がある。制球難であるため、大学ではリーグ戦デビューが４年春と遅れたが、秘めた潜在能力の高さを評価するスカウトは多かった。

４位
三家 和真 （みけ・かずま）外野手 18歳
右投両打 180cm77kg
和歌山・市立和歌山高
思い切りの良いスイングで飛距離の出る右打席、コンパクトなスイングで広角にヒットが出る左打席と、２つの顔を持つ好打者。守備では、打球に対する勘が良く守備範囲が広い。野球に対する姿勢もマジメで「耳の痛いことも素直に聞ける男」とのこと。

解説
早くから野村の１位指名を決めていた広島。「大学BIG３」の一人だけに他球団との競合もあり得ましたが、見事に一本釣りに成功！ファンも関係者もホッと一安心といったところでしょうか。野村以外にも、菊池、土生といった評価の高い即戦力候補を揃え、上々の出来になったと思います。社会人入りを考えていた土生も、どうやら広島入団に前向きな様子です。
一昔前は、経済力の問題もあってか、あまり攻めの姿勢が見えてこないドラフトもあった広島ですが、ここ数年は有力選手にも積極果敢に仕掛けていくようになって、これはいい傾向ですね。長い間低迷が続いている広島ではありますが、こういう姿勢が継続されれば、チームの浮上は決して遠い話ではないだろうと思います。
個人的な注目選手は、育成枠３位の塚田でしょうか。公式戦では全くと言っていいほど実績のない投手なのに、なぜかスカウトが「潜在能力」を高評価。一体どんな選手なのか、一度生で見てみたい…(笑)。