ひと筆めぐり 【新発見・再発見・摩訶不思議・唯一無二】への楽しみ…

地域に息づく歴史のひと幕にふれ、…遥かなる往時に思いを馳せる

京都府指定文化財 鹿島神社 園部町殿谷

2020-03-12 | 神社仏閣
鹿島神社の本殿は京都府指定文化財
ラッキーであった。たまたま訪ねた日が『鹿島神社』の祭礼日であった。許可を戴き内部を見せて戴けた。
「鹿島神社」は殿谷の集落の最も奥に位置しており、平成10年(1998)道路拡幅工事により西へ少し移動している。その際に解体修理がおこなわれている。
神社のルーツは以前にも紹介したが、茨城県(常陸国)に鹿島神社があります。殿谷(先祖)は鎌倉期に丹波の地にやってきた被護の被官が定住し、その者が故郷(常陸国)の神を殿谷に勧請したのが…「鹿島神社」の始まりとも云われている。起こりは諸説あり。
案内板によると…永正6年(1509)本殿造立の棟札が残され、正徳2年(1712)の棟札も確認されている。これらから中世後期に創建・近世中期の江戸期に修理されたことがわかる。
本殿は一間社流れ造りの桧皮葺で、創建当時の材がよく残っている。小規模ではあるが、均一のとれた建物で、丹波地方に残るこの時代の神社本殿手法を保っている。京都府指定文化財指定【昭和55年(1980)】になっている。

(本殿の構造は次号につづく…)
<一間社流れ造り

園部町の古墳(塚)

2020-03-11 | 歴史
千種姫古墳(塚) 【普済寺】
平安時代に天台宗寺院として創建、足利尊氏が夢想国師を開山とし、その弟子となったのが尊氏の妹(千種姫)である。千種姫を寺の開基として創建したと伝えられ、緑の里を愛し一生を終えた千種姫が眠る古墳(塚)を再度訪ねた。
普済寺の観音堂から階段を上がり本堂へ…境内から真っすぐ南へ歩くと、地域の共同墓地にでる、この墓地の一角に土を高く盛った場所があります。径10-15㍍の大きさの古墳(塚)です。真ん中付近で落ち込んで双円状になっているが、もとは一つの独立した古墳(塚)(埋葬された墓)であった。この中央に『千種姫の五輪塔』が置かれ、横穴式室構造になっていると言われている。又近くに″にわとり古墳(塚)″などもあり、その時代の高貴な人の墓も点在する。(花園大、吉田清先生のふるさと探訪、日本地名辞典参考)





<天下太平 萬民普済>

八大龍王 最福寺(曹洞宗)

2020-03-10 | 神社仏閣
最福寺の八大龍王神
丹波国船井ごおり(郡)三十三ケ所霊場の第二十三番札所 【最福寺(曹洞宗)】
御詠歌『 旅人の 目をおどろかす 蛇ケ谷の 滝のひびきも 寺の人あい 』と謳われている。
霊場巡り盛んな頃、白装束の巡礼者で寺も賑やかであったであろう…。
往昔、この寺には薬医門があり正面に本堂、右手に鐘撞堂(釣り鐘堂)、左手に薬師堂が創建され、荘厳な曹洞宗の風格を持っていた。今から300年程前に本堂焼失、悲運はつづき昭和26年2月に本堂焼失…400年の古刹の歴史が、薬師如来像・脇佛数体が烏有となる。″郷土丹波古道誌″に書かれている。
今回は、薬医門の左手にタラヨウ(別名;ハガキノキ)の大木があります。その根元に石組で積まれた『八大龍王の小社(祠)』があります。小社の字が消え…読み取れない。少し扉が開いていたので覗き見る、内部の損傷が激しい。よく見ると八大龍王のお札が見えます(写真)。間違いなくこの小社は水の神である『八大龍王』が鎮座されていることが分かる。
埴生地区はその昔、蛇ケ谷川の滝に水が無くなることがしばしば…。この時の神頼みが八大龍王であったと言う…地元古老は話す。水神(龍神)として祀られ、雨を降らせるなどのご利益があると言われ、深い信仰の対象となっている。御詠歌の中の蛇の滝は何処にあるのか!…分からない?
< 写真の大木がタラヨウの木(通称:ハガキの木)、傍らに小社「八大龍王」が鎮座。弘法大師がこの葉を用いて字の勉強をした「学問の木」とされ、寺社にはよく見かけます >

< 『維時 昭和53年 奉納八大龍王 十九世代…』が札に書かれている。小社が建てられた時のものと思われる! >
< 薬医門の鬼瓦は魔除けの役瓦 >

自然教室 梅・柚子

2020-03-09 | 自然
園部町は歴史・民俗と緑にあふれたエリア、どこを歩いても新しい発見でいっぱいだ。杉・檜の植林帯から古刹や石仏がひょっこり顔を出す…至福のひとときに癒されている。
今回は趣を変え草花にスポットを当てる。



屋敷谷跡地の日陰の梅は今が盛り!梅はあらゆる花の先頭を切って咲き、春を告げてくれている…。
蛇ケ谷川沿いにたわわに実を付けている柚子が青空に映える。古事ことわざに『桃・栗・三年、柿八年、柚子の大馬鹿十八年」を思い出す。この意味は何事も成し遂げるまでには相応の年月が必要だというたとえ(あきらめない心がひつようですね。)。柚子には針(トゲ)がいっぱいついていて、踏むと車のタイヤもパンクするほどの強靭な針を持つ。実生から実を付けるまで…18年かかるそうです。実が成ると…なんと300年は成り続けるそうですよ。京都愛宕山の麓の柚子農家さんから聞きました。

自然教室 岩石

2020-03-08 | 自然
今回は、埴生地区の地質(岩石)のウォッチングを…
【今から7000万年前、るり渓谷地方に大規模な火山活動が起こっています。深山、半国山を含む一帯に激しい噴火がおこりました。火山灰や溶岩が大量に噴出し、古生層の丹波帯の上に盛り上がりました。その厚さは1600メートルとも云われている】

この火山灰の灰が堆積してできたのが『凝灰岩』です。火口から隆起してできた流紋岩・花崗岩・チャート等はるり渓谷へ行けば見られます。

最福寺の前の道を100㍍程歩くと、右道端に自然石があります。うっかりすると通り過ぎてしまいます。要注意。堆積岩のグループの『凝灰岩』と呼ばれる岩石があります。よく見ると縞模様(しまもよう)が奇麗にできている。湖底にたまった火山灰が固まって出来たものですね。触ってみると表面はザラザラしています。小さな孔(あな)が無数にあります。これは空気・ガス成分が抜けたときにできる孔の跡です。低密度であり比重は1.8~2.6の範囲。