全国大会に遠征した12人の選手のうち6人がバレーボール歴6月という初心者の我松江Winz。
9人制ですから、初心者3人は必ずコート内に入っていなければならないという状況で大会に臨んだのです。
私が推奨したのは、下図のとおり、黄色で示した初心者のうち、レシーブ、それもサーブレシーブがそこそこできるようになった鴨下君(40歳)と矢野課長(40歳)をバックに入れ、パスはおぼつかないが、ブロックとスパイクが武器の足立(身長184cm、22歳)をライト側に配置しつつ、彼にはレシーブをさせないという2・4・3のオーソドックスなレシーブ重視のフォーメーションでした。
これに対して、攻撃力のなさを懸念した小川係長は、下図のようにレシーブに難がある足立をネット際に置くだけでなく、クイック参加の倉橋もサーブレシーブ免除し、クイックに集中させ相手ブロックを分散させようというフォーメーションを提案したのです。
練習試合で検証した結果、小川係長の推奨したフォーメーションで、そこそこの結果を残したことから、本番の全国大会でも3・4・2のフォーメーションで行くこととなりました。
予選のFDH戦は、このフォーメーションで見事に勝利したのです。
しかし、福岡戦になると、バックのレシーブの負担が増えてサーブレシーブが上がらないという状況が見え始め、とりわけジャンピングサーブ等速いサーブに対して、レシーバーがそれぞれの正面だけレシーブするという意識で守備できるようにするには、レシーバーの人員を増やすべきであることから、レシーバーを6人から7人に増やすこととし、2・4・3のフォーメーションを採用しました。
2・4・3のフォーメーションにすると、クイックの倉本がサーブレシーブに入るため、クイックに入り辛くなるという問題が生じるということを言う人がいます。
ただ、私に言わせれば、パスを大きく返せば時間が稼げ、自らサーブレシーブしクイックに入ることも可能であると考えるのです。
そうしたプレーができないという壁は、大体において本人自身が作っているもので、それなりの意識を持って、練習して行けば、案外克服できるものなのです。
私は倉本には「とにかく、まずはサーブカットに集中してもらうが、サーブカットしないときはすぐに気持ちを切り替えてクイックに入って来い。できる選手がどこかで無理しないと、大阪には太刀打ちできないぞ」と指示し、矢野課長の奥さん(中衛センター)には、「できるだけ、広い範囲でレシーブしてください。倉本には正面だけレシーブさせるくらいの感覚で、その他について、カバーしてほしい。」とお願いしたわけです。
このフォーメーションは功を奏し、サーブレシーブが安定したため、実力差はありながらも、サイドアウトは取っていくという展開になり、点差が開かない状況ができ上がったのでした。
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