Aクイックを打つ（その２５・・・セッターの移動に合わせるな！）

はじめに
指導する際、私も口癖のように言うのですが「パスが乱れたら、Aクイックの選手はセッターについていって、そこでクイックを打て」と言うものですから、初心者のクイックの選手は一生懸命セッターの動きを追って、クイックに入ろうとします。しかし、考えてみれば、それは、早いクイックを打とうとする場合、無理があるのです。
そこで、練習させる場合の意識の持って行き方と練習方法を御紹介します。

セッターを当てにするな
最終的にはセッターの移動した位置でクイックを打たせるのですが、アタッカーには「セッターの位置を当てにせず、ボールの軌道を見て走り込む位置を自分で判断しろ」という具合に指導するのです。
で、セッターを立たせず、トスアップの位置に走り込ませる感覚を掴ませるための指導をします。

セッターなしの練習方法
準備
まず、下図のようにレシーバー役の黒シャツ選手がボールを持ち、中衛センター付近に立ちます。

クイックの選手はピンポイントのパスがセッターに入った場合の助走開始ポジションに立ちます。黄色シャツのとおりです。
この時、クイックの選手は図のように体をしっかりレシーバーのほうに向けます。
これは、バレーボールの基本の基本でボールに選手がプレーする方向を必ず体ごと向けるというプレーに基づきます。
レシーバーがミスしても次にいち早く対応できるための準備ですね。

練習方法・・・ボールの軌道を見て走り込む位置を判断する
上記図の状態から、今度はレシーバー役がネット際、通常ならセッターが立っている場所にボールを投げます。チャンスボールをレシーブした時のような感じで投げればよいわけです。

ボールは○→●→●と飛んでいくわけですが、この時大事なのは、クイックの選手は
助走を開始する際、ボールを見ながら、その軌道を読んでタイミング計り、走り込んで行くということです。

●にボールがある時は緑シャツのとおり、体はネット際を向いていますが、顔というか視線はボールのほうを向いています。
そしてピンクシャツのとおり走り込んで体を沈みこませ、両腕を振って体の前にもって行ったところでボールをキャッチしてほしいのです。キャッチの位置は早いタイミングを重視した練習するなら頭の上、ジャンプ場所把握をするのなら最初は胸の前辺りでキャッチさせます。
このタイミングでボールをキャッチできれば、だいたいクイックができるようになります。

少し立体的に図面を書きますと下図のようになります。

顔から出ている矢印は視線の方向を示しています。

黄色シャツ時点では体ごと●のほうに向き
緑シャツ時点では体は走り込む方向を向きつつも視線は●を見ます。
ピンクシャツ時点では、しっかり踏み込み両腕を振り上げ、正にジャンプする動作をします。

以上が第一段階の練習です。
セッターを目標にせず、ボールの軌道を追って自ら走り込む位置を把握するという練習です。
次回は、この練習からさらに発展させます。

 

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