よい指揮者と冴えない部下
幹部の中に優秀な大学を卒業し、知識が豊富で、法令にも明るいのがいて、これが様々な場面で部下を指揮命令して事案処理に当たるのです。
しかし、いまいち結果が出ません。
「きちっと、指示してるのに、部下が言ったとおりにできないんです。」
よい指揮をとっても、部下が冴えないから結果に結び付かないというわけですね。
まあ、こういうことを言うレベルの幹部では、到底部下がついて行くはずがないと思うのです。
指揮者の役割というのは、そのプロジェクトを成功に導くことに究極の目的があるわけです。指揮することが仕事ではありません。指揮して終わりというものではないのです。
よい指揮者なのに部下が冴えないという話ではなく、冴えない指揮者だから部下が生きてこないということだと考えてみる必要があるのです。
っとまあ、人のことはそんな風に言っていますが、実は、私自身もかつて、同様の考えを抱いたことがあって、幹部研修で学んだばかりの方法で部下を指揮しようとしたものの、その具体的な方法について部下が十分にこなせる状態になく、結果、プロジェクトは失敗に終わったということがありました。
結局、そのことが監査でも指摘されることとなり、私としては「まったく、どうしようもない部下だ!」等と不満を抱いていたわけですが、その時の所長の監査官に対する謝罪がすごかったのです。
「誠に申し訳ありません。部下は一生懸命任務遂行しておりますが、私の力不足でこのようなことになりました。これは全て最高指揮者たる私の責任であり、深くお詫び申しあげます。今後、再度見直しを図り、指摘事項について、至急是正する所存です。」といった趣旨の発言をしたのです。
まいりました・・・・。部下と私の指揮のまずさを庇ってくれたわけなんです。
そんな理屈も分かっていない自分の傲慢さに恥ずかしさを覚えました。
まだまだ、小さい人間だったわけです。
バレーの試合に例えたらすぐわかる
バレーボールの監督している人なら誰もこんなことで嘆く人はいませんが、職場の幹部となると、ときどきこういうことで愚痴をこぼすポン助がいるから(私もですが・・・)、どうしようもありません。部下は仕事ができて当たり前という考えなんですね。
どんなにすばらしい指揮を執っても、部下が実行できなかったというのでは話になりません。
また、部下というものは幹部と物差しが違うから、指揮の意図するところが判らなかったり、経験のない仕事についていきなり指示されても、指揮者の思惑どおりに事を運べないということも多々あるものなのです。
バレーボールの試合中、 監督が「センター攻撃の時、相手の両サイドが前に突っ込んでくるから、その逆を突いて、クイックでコートのバックのコーナーを狙って打て!」という指示をしたとします。
絶妙の指示です。
しかし、選手にそれだけの技術がなく、監督の指示どおりに打てなかった場合、試合に負けたときは、センタープレーヤーのせいにするのでしょうか?
違いますよね。与えられた選手の技術の中で事を成し遂げるように持って行くのが指揮者の役割だと思うのです。
先に述べた幹部のように、指示しても部下がそのようにできないというのであれば、そのような指示を出すことなどせずに、部下職員のできる方法で事を成し遂げるよう、戦術を練って指揮を執っていくべきなのです。
指揮者に必要な要素
バレーボールの指導者や職場の指揮者に必要な要素として、バレーボールや職務をよく理解しておくといったことは当然必要であると考えます。
しかし、いくらそれらのことをきちっと理解していたとしても、自分がプレーしたり仕事したりするのではなく、選手や部下職員にそれを伝えて行わせるという点で、そこには監督や指揮者と選手や現場職員との間の人間関係が大きく作用してくるように思うのです。
指揮者が選手や部下職員に厳しい要求をしようと思えば思うほど、両者の人間関係が強固なものでなくてはならないのです。
そうやって考えていきますと、やはり、人の心を掴むことのできる人間味溢れたキャラクターが必要であると思います。
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個別に幹部に話を聞きますと、皆、この考え方に同調します。しかし、現実の行動場面ではどうにも、ちょっと違う感じがすることがあるんですね。
同じような現象が私に起こっていないのか、ときどき心配になります。ほんとに、気をつけないと、気付かないうちについつい陥りがちな間違いのような気がします。
一皮むけば、私も弱い人間だ・・・・というのを感じます。
セッター出身で、ママさんの監督を長年されてるポンさん等は、その辺りは十分に把握されてやってるんだろうな・・・という雰囲気が、これまでのコメント等で伝わってきます。