はじめに
パスが乱れた場合にAクイックの選手が機能するかどうかは、セッターのうまさと同時に、Aクイックの選手がベストなポジションを取れるかどうかということがポイントになって来るというのが、おわかりいただけたと思います。
今日は、パスがネットから離れた位置にパスが返った場合のベストなポジション取りにを確保するための練習方法についてお話します。
セッターにAクイックの選手の位置が分かるようにする
レシーブが乱れて、パスがアタックライン辺りまでしか戻らなかったという場合にAクイックを打ちたいということになれば、大事なのは、やはりセッターにトスアップする方向をしっかりと把握させるということが大切になってきます。
その方法としては、セッターから見える場所に声を出しながら入っていくという方法や、あらかじめセッターとの位置関係を決めておき、セッターからAクイックの選手が見えない状況下でもトスアップできるようにしておくなどの方法があります。
そこで、私が推奨するのは、基本的に
セッターの位置から45度の位置にAクイックのアタッカーをジャンプさせるという方法です。
アタッカーは、白シャツ位置から紫シャツに移動し
ここから一歩助走で緑シャツ位置に走り込んでスパイクします。
この緑シャツの位置が、白シャツのセッターの位置から45度の方向になるというものです。
この方法だと、クイックの選手からも、セッターの位置からもお互いの位置が見えやすいという利点があります。
仮にセッターからアタッカーが見えなくとも、45度の方向にトスアップすれば、Aクイックの選手がなんとかボールに触って、プッシュくらいはできる状態となります。
かなり、良い攻撃につながるのです。
このベストポジションを確保するための練習方法
基本的に、昨日までの練習と同じなのですが、下図のとおり、レシーバー役(黒シャツ)とセッター(上黄色シャツ)、Aクイックの選手(左黄色シャツ)という具合に立ちます。
ここから下図のとおり、黒シャツのレシーバー役は通常はボールを●→●のとおりピンポイントでセッターの位置に返すところを、今回は、●→●のとおり、短めに返球します。
このパスをトスアップするにはセッター2番はピンクシャツの位置2に来ないといけないという感じのパスにしてほしいのです。
そして、この場合パスの高さは、最初のうち、ピンポイントのパスより少し高くして上げて下さい。
で、このようにパスが短めになったらそのアタッカーはパスの軌道を読み、下図のとおり、セッター(2)がピンクシャツの位置から45度のレフト方向にAクイックのトス(実際にはBクイックのような感じになるわけですが・・・)を上げて来ると予測できますね。
→●
のとおりのトスが来るわけです。
ですからAクイックのアタッカーは、ピンポイントのパスの場合のように黄色シャツから緑シャツの位置に走り込んでもそこにはトスが来ないと判断します。
この場合、Aクイックの選手は下図のとおり、紫シャツの位置が助走開始のポジションとなり、ピンクシャツの位置がスパイクをするポジションとなります。
もちろん、助走開始のポジションは、慣れてくれば上図のように極端にネットに付いた状態でなくとも可能になります。また、申し合わせをうまくすれば従来どおり緑シャツの位置でジャンプしてスパイクすることもできなくはありません。
しかし、ネットからボールが離れた上に、左右の位置もずれた場合のことを考えると、とにかくトスアップ位置から45度の位置にアタッカーはジャンプすると決めておくと、簡単に対応できるのです。
アタッカーの移動の方法
アタッカーが黄色シャツ位置から紫シャツの位置に移動する際、是非守っていただきたいことがあります。
それは、下図のようにバックステップで下がり、ボールから目を離さないということです。
ボールの軌道をみて、自分のペストポジションを判断するというのがありますし、セッターの動きを見ながら助走を開始しなければならないわけですし、トスミスした場合には、アタッカーはそのカバーに入り、とにかくボールを相手コートに返球しなければなりません。
ですから白シャツの選手のように、ボールを見ながらササッと下がって、紫シャツ位置に助走開始のポジションを取っていただきたいののです。
練習方法(いよいよ本番)
ポジションを取る位置が把握できたら後は反復練習です。
黒シャツ選手は、まず、
●→●
のとおりボールをパスします。
その場合、アタッカーは従来どおり黄色シャツの位置から緑シャツの位置に走り込み、ジャンプしてボールをキャッチします。(ここは、最初からスパイクせず、ジャンプしてキャッチの練習から行います。)
で、次にボールを
●→●
のとおり、短めに出します。
セッターはピンクシャツの位置まで移動して
→●
のとおりトスアップし、アタッカーはその間に素早く紫シャツの位置に移動。そこからピンクシャツ位置に走り込んでボールをキャッチします。
最初キャッチさせるのは、実はセッターのタイプによって、Bクイックのトスのスピードが違うのですね。ほんとはアタッカーのタイミング見てセッターが合わせることができるのが理想ですが、クラブチームやママさんだとそうはいかないことも多々あります。特に、Bクイックのトスが遅くなる場合があり、速いAクイックのタイミングでジャンプするとボールがアタッカーの所に到達する前に、アタッカーは床に落ちてしまうという場合があるのです。そのため、ここではまず、キャッチで助走とジャンプのタイミングをちょうせいさせるのです。
慌ててはいけません。じっくり、着実に目に進むように練習していくのです。
本日ここまでです。
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