ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

Aクイックを打つ(その18・・・セッターの所にパスが返らないときの対応)

2012年07月08日 07時04分04秒 | アタック練習

はじめに
先日、rossiさんから寄せられたコメントに登場した問題に関し、その修正方法を記事アップしてまいりたいと考えます。今回検討するのは、黄色でマーキングした部分です。

rossiさんのコメント
超簡単、しかも無駄のない練習方法ありがとうございました。こちらは、早速やりました。ヒットするタイミングのイメージがつかみやすいので、毎日のイメトレに活用します。

さて、昨日の練習で、一歩助走に心がけたところ、以前よりもジャンンプのタイミングがつかめました。ただし、セッターにボールが返る位置が、都度変化するので、それに合わせて、自分も前後するというジャンプの位置の微調整への対応が、うまくいかなかったりで、もやもやです。

ボールを自分の右側よりにキャッチする練習は、いつもの練習では、正面でキャッチしていたので、目からうろこで、新鮮でした。こちらも、やってみました。空中で、体の位置が自動的に矯正され、気持ちも体も納得でき、変な表現ですが、心地よかったです。ただ、滞空時間がないのと、ちょびっとほんのちょびっとジャンプが遅れるだけで、自分が下降してしまって、残念な結果になってしまうこともありました。

どっちにしても、感覚に慣れていくしかないですね。。。。


返球位置のその都度変化に対応する方法に関する考え方
レシーバーの返球位置がその都度変化すると、Aクイックの攻撃というのはその調整が難しくなるわけです。なにしろ、トスアップからヒッティングまでの時間が短いわけですから・・・。
しかも、タイミングを少しずらしてしまうとボールに届かない状態が生じてしまいます。


返球位置がその都度変わる場合の対応については(ここちょっと重要です。)、
返球位置がネット際で横に移動する場合と
ネットから離れた場所に返球される場合とで分けて考えます

また、アタッカーの感覚として、
移動と助走

という感覚を持っておくと、比較的簡単に対応できるようになります。
今日は、まず、返球位置がネット際で左右に変わる場合の対応について考えます。

ネット際で返球位置がその都度変化する場合の対応方法
下図を見て下さい。
今レシーバーがパスを送ります。

という具合です。
で、アタッカーはレシーバーがでボールを処理する時点で、既に青シャツ位置で構え、そこからボールがセッターに入っていくタイミングを見ながら、緑シャツのとおり走り込んでクイックを打ちます。

通常はこれでクイックが打てるわけです。

この場合、アタッカーはにボールがある時既に青シャツ位置に立っていますが、さらに細かく見ると、
下図のようにアタッカーが助走を開始するのはではなくの位置にボールが来るころになります(●の位置がどの辺かといいますと、これは、パスの高さとアタッカーの助走のスピード等に左右されるのですが、その話はここでは省略します。要はの間の中間付近ということで理解してください。)。
にボールが行った時、紫シャツのとおり助走を開始するというわけです。
助走はタイミングの取りやすい、1歩助走ですね。

これで、通常のAクイックは打つことができます。

問題はパスが乱れてセッターが移動しなければならないときです。

実は、rossiさんのコメントにあるように、実際のラリーの中で、セッターのいる場所にパスが入らずとも、Aクイックを使いたい場面が結構あるわけなんです。むしろ、戦術的には、ちょっとパスが崩れたくらいの時にクイックを見せておきたいというのがあります。
理由は分かりますよね。ピンポイントのパスの時しかAクイックを使わないとなったら、相手のブロッカーは最初から誰もクイックをマークしたりはしなくなります。

下図を見て下さい。

青シャツ位置で助走の準備していて、パスがとセッターに行けば緑シャツのとおり走り込んでクイックを打てるわけですが、パスミスしてボールが今→●という具合に飛びました。
この場合どうするかということなんですが。

Aクイックの選手はどこまでもセッターについていく(そのタイミング)
●方向にボールが向かうと、そのボールは下図のとおり方向に行くというのは分かります。

で、これを察知したセッターは、下図のとおり、急ぎをトスアップできる場所まで移動します。
この時に、Aクイックの選手も青シャツの位置から黒シャツの位置まで移動してほしいのです。

移動のタイミングここから重要
理想は、まずセッターは、ボールが●に来るまでには黄色シャツの位置に移動します。
それに合わせてアタッカーもボl-ルが●の位置に来るまでに黒シャツ位置まで移動します。
この●の位置というのは、アタッカーがAクイックを打つための助走を開始するタイミングのときボールの通過する位置です。
ここまでをいかに素早く対応できるかで、その後のクイックの精度が決まります。
助走開始のタイミングであるボールが●に来るまでに、アタッカーは助走開始のポジションである黒シャツ位置まで移動し終えておくということですね、これが大事なのです。

黒シャツまで移動したら、ここから下図のとおり、赤シャツ位置に一歩助走で走り込み、スパイクします。
ネット際で返球位置が変わる時はこうやって、
青シャツから黒シャツ位置に動く移動
黒シャツから赤シャツ位置に走り込む助走
この二つをきちっと意識して、どの時点までに移動しないといけないか、どの時点で助走を開始するのかということを体に覚えこませて行くようにします。

この方法はパスがレフト側に乱れた時も同じで、セッターが左に移動した分、アタッカーも左にサッと下がって、一歩助走で走り込むということになります。

終わりにここも重要
実は、Aクイックを打つのに、助走やジャンプのタイミングのことは十分考えて日ごろの練習で調整するのですが、その前の「移動」について、意識できず悩むプレーヤーが結構いるのです。技術的なところは、助走やジャンプ、ヒッティングに比べれば比べ物にならないほど、簡単なプレーです。
でも、ここを疎かにしているために、練習で修得した助走やジャンプのタイミングが、実戦ではズレてしまうということになってしまうのです。
どの時点までに、移動を終えておかねばならないのか、ここを自分の運動能力を見極めつつ、しっかり押さえておくことで、実戦でのクイックは一気に成功率を高めます。
言わば、クイックを打つ前のプレー、ここを見逃してはいけません。


慣れてきますと、これが一連の動作でできるようになってきますし、セッターがどこに行っても、ことごとくアタッカーは付きまとってクイックを打つという状態にすることができます。ほんとに、ライト側のアンテナそばでAクイックを打つこともできます。がんばってください。
本日ここまでです。

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