日々徒然です

カフェにようこそ!

写真の向う

2013-08-18 00:38:47 | 小説
文化系体育系の部活での写真取りは結構ハード。
体育系だと選手の持ち味はもちろんだけど、躍動感や人柄も出さないと。
文化系の部活は作品やその思いも出して行かないと。
甘かった写真部だからと簡単に考えていた。でも写真を評価してくれて感謝の言葉を頂くと
嬉しい!少しずつのめり込んでしまった。

新聞部から校内新聞の写真が欲しいと依頼があった。
サッカー部の紹介写真だ。
ゴールしている所もそうだけど正面写真も撮る。
新聞部が各選手に取材している。俺は各選手それぞれを撮る。
ある選手が取材中に俺の写真を好評価してくれた。
それからなんだか気になって仕方がなくなった。

あいつはモテるらしく他校の女子高生からプレゼントを貰っていた。
モテるんだ・・・。なんだか胸がチクッとなった。
試合を見学に行った。もちろん取材も兼ねてだけど。
あいつは俺が来ているのを確認するかのように目が合った。
ゴールを決めて俺に向かって手を振っていた。
前以上にあいつを追ってしまう自分がいる。

写真部にあいつが来た。

写真は心の中も映るのか?真剣な眼差しで聞いてくる。
映るかもな。
じゃあ次回もお前のためにゴールする見ていてくれ。
写っているあいつの写真は俺を見ているのばかりだった。

おれは頷きあいつの背中にしがみついた。