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小話   ラバウル航空隊、航空司令特攻の朝

2021-06-28 08:25:21 | 小説

さあ、いよいよ、わしの番が来た。
若人達よ、いままで本当に良くやってくれた、後に続くぞい。
この戦争は、もう直に終わる。生き残る諸君よ、明日の日本を任せた。
国が敗れるんだ、残ってる飛行機全部飛ばせ、一機も敵に渡すな。
大和、武蔵も玉砕特攻した。われらラバウル航空隊も行くぜよ。
国破れて山河在り、内地の復興を頼む。

ああ、昨夜はええ酒を飲んだ。
後顧の憂いなく出陣出来る、さっぱりとした気分じゃ。
部下の後に続ける、この誉れ、軍人冥利これに尽きる。
操縦士よ、一番でかい空母に突っ込んでくれよ。
我が日本は根本を見誤った、戦艦から空母、航空機の時代になってるのにだ。
ラバウル航空隊、滅んでも栄光の名が残る。

いいか、海面すれすれの低空から急上昇し、全速急降下だ。
上甲板のど真ん中、弾薬庫をな、頼むぞい。
さあ、後ろに乗り込む、蓋を閉めとくれ。

みんな、これからの日本をな。
ありがとう、本当にありがとう。焦土に花が咲く、負けて勝つだ。
日本を頼む、日本をな……


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