鶴見和子の思想「内発的発展論」を観想する!
私たちは二年前の3月11日これまでにないほどの稀有な出来事に向き合うこととなった。
何よりも「いのち」が大事なのだと痛感し、日本中が喪に服し、どうやってこの未曾有の体験を乗り越えて行こうか、これまでの概念を超えてあらたな文化文明を築く気概を持って新しい時代を創出することでしか亡くなった方々を悼むことは出来ないのではないかとすら思った。
が、しかし、二年がたち、あの時燃えるおもいで願った新しい時代は
到来するどころかむしろ後退しているかのようにすら思える。
いのちを優先するということは、原発から降りること、非戦を謳う憲法を守り抜くこと、日本のローカリゼーションを台無しにしてしまうTPPに参加しないことでもあるはずと思い続けているが、今私たちの国はそこから遠いところにいるような気がしてならない。
いまこそ、厳然とある対立を超え、自在な心で和解をし、あらたな時代を創出していくのに、魂に筋力をつけ、強力な術を養う要を感じる。
我々の始祖たちは当然そのワザを駆使し、森羅万象に耳を傾け目を凝らし、手足を余すことなく使いこなして生きてきたはずだ、今一度その筋力とワザを取り戻したい。
その事を思想として体系づけてくれた巨人の一人が鶴見和子氏。
脳出血で倒れた鶴見和子が、夢と現を彷徨いながら、歌を支えに「回生」を遂げた。闘病とリハビリ生活の内面過程を豊かに詠いあげ、新次元を拓いた。歩み始めた数年間の、自然、諸生物、魂との交感を、コスモロジカルに詠う。朗詠・天地の息づかいを伝える映像・音響美と合体した、果敢な新地平を、金大偉氏の監督のもとDVD化された。
そのビデオを監督なさった金大偉氏のお話を聞きながら鑑賞し、内発的発展論に関する鼎談、そして筋力を備えた音楽家による
ライブ、、を構想した。
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