2011年3月11日、山ノ上ホテルに居た。30分後タクシーに飛び乗り、靖国通りをすっ飛ばし、30分後に家に辿り着いた。89歳の人が一人で大丈夫でいるか、車中にいる間、動悸が収まらなかった。無事な姿を見て何れ程安堵したことか。
それから一ヶ月、ほとんど家からでることもなく、肩を寄せあうようにして暮らした、、多くの方々の命を失った大震災が私たちのこれまでの歩みを振り返り、大きく舵を切るきっかけを与えてくれたのだと思った。
何が一番大事なのか、そのことを命と引き換えに教えてくれたのだと、胸が苦しかった。
それから二年、がたち、私は私の個人的な暗闇を行きつ戻りつあてどなくさまよう事に疲れ果て、ついに飛び出してしまった。そして今三年目の春を迎えた。桃の節句もはや過ぎ、日差しの中には確実に春の光を感じる物の、とろけそうな春まではいまだし、、だ。 . . . 本文を読む