トップ・ガールズ
4月16日 シアターコクーン
作:キャリル・チャーチル
演出:鈴木裕美
翻訳:徐賀世子
出演:寺島しのぶ、小泉今日子、渡辺えり、鈴木杏、池谷のぶえ、神野三鈴、麻美れい
1982年に初演された作品。
およそ30年前の作品とはいえ、現代にも通じるものがたくさんある。
社会における女性って、時代が変わってもそれほど変わらない、変われないものなのかも?
ロンドンの人材派遣会社で働くマーリーン(寺島しのぶ)。
男性達と同等以上に働いて、もうすぐ専務に昇進することが決まった。
その祝いのパーティーに集まったのが、古今東西に活躍した女性達。
帝に仕える二条(小泉今日子)、イギリスの旅行家イザベラ・バード(麻美れい)、女性であることを隠しローマ法王になったヨハンナ(神野三鈴)、ブリューゲルの絵画「悪女フリート」に描かれた女傑(渡辺えり子)、「カンタベリー物語」に登場する貞淑な妻グリゼリダ(鈴木杏)。
各自が自分の栄光や苦労を勝手にしゃべる。
セリフがかぶるけれど、聞き分けられないほどではない。
女性であることで地位を得たもの、女性であることで男性から抑制されたもの。
特に、ヨハンナの告白は胸を打つものがあった。
この祝宴は、マーリーンの妄想。
「トップ・ガールズ」の一員になったことを、自分自身に刻むため。
翌日、マーリーンの職場。
同性でありながらも、マーリーンの出世を単純に喜んではいない同僚。
先を越されたことにより、精神を病んで休んでしまった男性の同僚。
その同僚の妻までが登場。マーリーンに昇進を辞退するように懇願する。
女が出世するって、男が出世するよりも、ホントに大変。
回りも本人も特別なことだと思ってる。
男の場合は、出世は特別なことじゃないのに…
マーリーンの職場に姪のアンジー(渡辺えり子)が訪ねてくる。
アンジーはマーリーンの姉ジョイス(麻美れい)が育てているが、実はマーリーンの子供。
アンジーは、知的障害をもっている。
アンジーの障害を認めるジョイスと認めたくないマーリーン。
家や家族を捨てて生きたマーリーンと家や家族を守って生きるジョイス。
相反する生き方を選らんだ2人だが、お互いを理解し信頼しあっている姉妹。
でも女性が「トップ・ガールズ」に登りつめるには、いろいろな犠牲が必要だったというのか?
これだけの女優陣をそろえた豪華な舞台でした。
ベテランの中にあっても、鈴木杏の存在感は今後が楽しみなできでした。
池谷のぶえの芸達者ぶりは印象的でした。
我が社においては、「トップ・ガールズ」と同じように、女性の管理職はホントに少ないです。
私も今年から管理職の仲間入りを果たしましたが、女性の管理職はたったの10人。
しかも、事務職は4人だけ…
っか、全体的に管理職の数が足りてない現状。
管理職を目指すこと自体が特別な我が社。
ま、普通にしててもそれなりの給料が保障されてるからなのかな?
私が管理職を目指したのも、コンプレックスの裏返しだし…
なんだか、いろいろと考えさせられた舞台でした。
blogランキングに参加してます。
よろしければクリックをお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村