おはようございます。株式会社わざケア代表取締役 訪問看護ステーションわざケア作業療法士の渡部達也です。
介護保険は完全な自由市場ではなく、行政を中心に計画的に運営(コントロール)している中に営利法人を含めた多様な参入を認め、市場原理の要素を部分的に取り入れたものです。
基本として「利用者の自己決定」があるんですが、利用者と事業者に情報の偏りがあるので、その自己決定を基本にすることが正しいものなのか疑問があります。
なにせ情報の偏りをうまく操作すれば、その「自己決定」を事業所が有利になるように誘導できますからね。
ですので、事業所の参入が増えたら自由市場による自然淘汰が起こるはずですが、あの手この手で増えた需要分、供給を引き出していくので淘汰されていくことは少ないように思います。
ということでどんどん介護保険市場は拡大していきますが、その拡大に社会保障費に対応できないわけです。
それで来年の改正に向けて介護給付費分科会でいろいろ抑制しようと議論されるわけですね。
統計によると2050年には労働人口の25%が介護医療職になるとの試算が出ていますので、持続可能な世の中にしていくために痛みは受け入れないといけないのかもしれません。