野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

夏の花 ヒマワリ

2023-08-03 | フィールドガイド--植物編--

夏の花 ヒマワリ。

7月から8月にかけてヒマワリの植えてある畑が観光名所になっている。

写真は、兵庫県佐用町のひまわり畑の写真です。

 

ひまわりについて8つの項目にまとめました。

 

1.ヒマワリは向日性があり、太陽の方向に動きます。

2.ヒマワリの学名は Helianthus です。ギリシャ語で太陽を意味する「ヘリオス」と花を意味する「アンサス」から来ています。

3.16世紀にペルーに初めて到着したスペイン人探検家は、インカの高僧が身に着けていた驚くべき黄金のヒマワリの宝飾品を見て、ヒマワリ畑を黄金と間違えました。それにより、ヒマワリは「偽りの富」の象徴となりました。

4.これまでに記録された最も高いヒマワリは9.17メートル。2014年にドイツで栽培されましした。

5.ヒマワリはキク科の植物です。

6.ヒマワリはロシアとウクライナの国花です。現在戦場となっているウクライナとロシアが同じ花を国花としている点、複雑な気持ちです

7.ヒマワリの種はカルシウムが豊富で、優れた健康食品です。

8.ヒマワリの種はフィボナッチ数列に従います。フィボナッチ数列とは数学者フィボナッチによって作成された数列内の各数値は、前の 2 つの数値の合計になります。(1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89の数列のこと)

自然界のすべてのものはこのパターンに従う傾向があり、特にらせん状の形状にそれが見られます。(松ぼっくりのらせん)

 

  1. ヒマワリはなぜ東を向くか―植物の不思議な生活 (中公新書 (798)) 新書 – 1986)に詳しい。ヒマワリは常に太陽の方を向いて咲くというイメージがありますが、実は太陽を追いかけて東から西へと首を動かすのは、つぼみの時だけ。開花すると、花は東向きで動かなくなります。(同じ方向を向いたのが多いので写真にとりやすい。)
  2. 古代ギリシャ神話には、太陽神アポロンに恋をし、いつもその姿を目で追っていた少女がヒマワリの花になったというお話があります。

   ここで疑問、古代ギリシャには「ひまわり」はなかったのでは

 

  1. ひまわりは北アメリカ原産の植物で、紀元前1500年頃から栽培が始まったとされています。

ネイティブアメリカンは、ヒマワリを作物として育て、栽培した最初の人々であると考えられています。 彼らはひまわり油を料理に使い、非常に健康的で栄養価の高い種子を食べていました。

アメリカ先住民の中には、トウモロコシ、豆、カボチャ(ズッキーニ)などと並び、ヒマワリをいつかの主食となる作物として「4番目の姉妹」と呼ぶ人もいました。

コロンブスがアメリカ大陸を発見した後、1500年代中頃にスペインの医師ニコラス・モナルデス氏がひまわりに興味を持ち、種をヨーロッパに持ち帰りました。

  1. ギネス記録 ドイツのハンス・ピーターシファーさんが17メートルが育てたヒマワリ
  2. 小学校3年の理科でヒマワリを育て観察する教材になっています。

夏休の自由研究にもなりやすく、いろいろなホームページでまとめ方などたくさんあります。

ヒマワリはキク科。キク科に共通するのは筒状花(=とうじょうか)(管状花)。外苑にある花弁は舌状花といいます。

ヒマワリの筒状花を観察すると、雌しべより先に雄しべが熟して花粉を出します。筒状花には5本の雄しべがあり、熟すと黄色い花粉つきます。筒状花が外側から順に咲きはじめ、雌しべが受粉できる状態になります。受粉すると果実になります。1000個以上の実ができるのです。

  1. ロシアやウクライナではヒマワリは食料として親しみのある植物だったことと、ロシア正教では断食があり、ヒマワリの果実は食べてもよいと許可されたことから人気がでたといわれています。

チェルノブイリの事故のときもヒマワリは注目されました。ヒマワリには放射線のもとになる鉱物を吸収し、環境を浄化してくれる可能性が大いに期待されました。

  1. ヒマワリのカロリー・脂質は同じ量を比較するとポテトチップス、揚げせんべい、さきいかより多いそうです。リノール酸、ビタミンE、葉酸(ミネラル)さんなどが含まれています。
  2. 12世紀から13世紀にかけてイタリアで活躍した数学者レオナルド・フィボナッチが発見。

昭和57年度(第6回)数学入門公開講座テキストに広中平祐氏の「ひまわりの渦」のテキストがあるので参考にしてください。

 

さて、2番の疑問

古代ギリシャ神話の中の「太陽の花」は、今のヒマワリでないことは明確です。古代ギリシャ人が一度もヒマワリを見たことがなかったからです。

ヒマワリの花がヨーロッパで人気ものになった17世紀。

フランスの宮廷画家シャルル・ドゥ・ラ・フォスが1688年に発表した『クルュティエ』の絵が象徴的です。

この絵は、ギリシャ神話の太陽神アポロに恋焦がれる海の妖精クルュティエの悲しい顛末を描いたもので、叶わぬ恋に途方に暮れる海の女神のかたわらには大きなヒマワリの花が描かれています。

この絵のイメージから人々は古代ギリシャとこの花を強引に結びつけ、ヒマワリを太陽神アポロのシンボルとしたのです。

この絵のすばらしさから、たちまちギリシャ神話を代表する花となってしまったというわけです。

物として知られていた地中海沿岸に自生する草本のヘリオトロープではないといわれています。

別の説では、マリーゴールド(キンセンカ)もあります。



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