コケ植物は陸上に上がった最初の植物といわれています。岩上、土上、樹幹上、コンクリート上、葉上などほかの草木が生育しにくいようなところに生える小さな緑色植物です。光を必要とするので日当たりの良いところから薄暗いところまでいたるところに生えています。水分条件を見ても水中から水しぶきのかかるところ、いつも湿って冷涼なところ、乾いて高温となるようなところまでさまざまな環境に見ることができます。生育環境は種類によってそれぞれ好みがあるようです。
タイ類
ゼニゴケ(ゼニゴケ科)
苔類の代表として教科書で扱われるコケ植物です。肥沃な地面に群生します。雄株と雌株があり、受精して胞子体をつくり、胞子で増えますが、無性芽でも増えます。
庭などにはびこり嫌われることもありますが、山中にはほとんど見ることができません。なかまは40種類ほどあり、その多くは山中のしめった土や岩の上に生えます。タイ類の中では、複雑な組織を分化させていて、高等植物の気孔に相当する器官をもっています。
セン類
ギンゴケ
世界中に分布する特異な種類。南極からも見つかっています。都市の岩やコンクリートのかべや屋上などに生える代表的なコケです。銀緑色でよく目立ちます。葉はいつも茎に接しています。
ハリガネゴケ
都市の岩やコンクリートの壁の目地部分の湿ったところに普通に見られます。乾燥時は葉が縮れて黒っぽく見えます。苔の観察をするとき葉のような部分の厚さは1層なので、細胞と葉緑体を顕微鏡で簡単に観察できるので、教材に活用できます。
コケ植物は胞子体の構造の違いで、蘚類(スギゴケなど)、苔類(ゼニゴケなど)、ツノゴケ類に分かれます。蘚(セン)類は胞子体が比較的長く残り、苔(タイ)類やツノゴケ類は胞子の散布を終えるとすぐに枯れてしまいます。
(生きている鶴見川より)
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