クズとアメリカでの話
クズは秋の七草の一つ。
「萩の花 尾花葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなえし) また藤袴 朝顔の花」 (万葉集)
クズは根からくず粉がとれます。葛湯や和菓子の原料になります。
また、「葛根湯(かっこんとう)」という薬にもなります
クズの繊維から葛布とよばれる布がつくられます。静岡県掛川市では今でも葛布作りが行われています。
このように歴史的にも価値のある植物ですが、アメリカに渡ったクズは厄介者になっています。
クズはもともと砂防や飼料に使用するためにアメリカに渡りました。
ところが、今では、グリーンモンスターと呼ばれアメリカの在来種を脅かし、環境問題になっています。
調べてみるとクズ以外にも日本の植物がアメリカで問題になっているようです。
ジョージア州のツリーズアトランタという団体が日本からアメリカにやってきた困っ植物を外来種トップ10の中に8つも上げています。
クズ、それ以外にイノコヅチ、スイカズラ、カナムグラ、イタドリ、アシボソ、ネズミモチ(トウネズミモチ=もとは中国から日本にやってきました)、フジの10のうち8つが日本からの侵略植物です。
もともとは観賞用として持ち込まれたものが多いようですが、逃げ出しアメリカで特定外来種としてまーくされています。
イノコヅチはクズ以上にジョージア州では特に問題になっています。実が衣服や犬の毛にくっついて広がるのが大きな要因です。
スイカズラは観賞用にアメリカに入りました。アメリカ南部で問題になっている植物です。
カナムグラも観賞用にアメリカに入りました。コネチカット州、デラウェア州、インディアナ州、メリーランド州、ペンシルベニア州、バージニア州、コロンビア特別区で問題になっています。
イタドリはアメリカばかりかイギリスでも問題の植物。イギリスではこれが家にあると資産価値が下がるといわれています。
アシボソは磁器の梱包材に使われていたのが、アメリカで広がりました。牧草の成長を阻害する雑草として問題になっています。
トウネズミモチも観賞用でした。在来の低木層の植物を駆逐してると問題になっています。
フジも観賞用です。繁殖しすぎて問題になっています。
このように観賞用でアメリカに渡ったものが、ワースト10に8種類もあることがおどろきです。
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