野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

アケビ

2023-09-08 | 自然観察会

アケビ  (アケビ科) 

 

日本ではアケビとミツバアケビが知られている。

ゴヨウアケビは、アケビとミツバアケビとの雑種とされている。

アケビとミツバアケビの違いは、前者が小葉 5 枚に対して後者は3枚(ゴヨウアケビの小葉は 3~5 枚)である。

アケビは、本州、四国、九州に分布

ミツバアケビは、北海道から本州、四国、九州に分布。

 

長卵形の大きな果実、果肉は甘くて比較的美味しい。

熟すると紫色となり、タテに二つに割れ、白色半透明多汁な果肉がみえる。

甘いが、食べる部分は少なく口に黒い種子が残る。

古くはこの果⾁の⽢さが珍しがられ、無病息災の珍果として朝廷に献上されたたことが『延喜式』(905〜927)に記載されている。

アケビの果実について、牧野富太郎氏は「アケビは果実の名で、この植物を指して言う時はアケビカズラと呼ぶべきである。」と述べている。

 

中味を食べた外側の皮も食べることができる。

ひき肉やシイタケ、野菜などを、ミソをペースにいため、皮に包んで油で蒸し焼きにしたり、唐揚げにする。また刻んだ果皮をゆがき、いためてゴマミソあえにすると酒のあてになる。

 

 

アケビの新芽は古くから木(こ)の芽といい、サンショウとともに利用されている。

京都鞍馬の「木の芽漬」の材料の一つである。

新芽をゆで、お覆し、あえもの、汁の実などに独特のほろ苦い風味が喜ばれる。

江戸時代、種子から油をとり、食用や灯用にしたという。

 

つる茎を木通(モクツウ)といい、生薬にし、利尿、通経に用いる。

長いつるは、シバなどを縛り、籠や土びん敷きなど、民芸品の素材に利用されてきた。

 


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