ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

ムライト棚板

2013年08月30日 | 仕事場や道具
小さなムライト棚板があと一枚あれば本焼きの窯詰めがきっちり収まるので陶芸店に在庫を聞いたところ欲しいサイズが無い。そこで、ネットで調べていたらムライト棚板というのは素焼きや上絵付け用で、本焼きの温度まではもたないということを初めて知った。今使っているムライト棚板は陶芸店でサイズが丁度良いと思って購入し、既に本焼きに何回も使っていたのだ。本焼きでは板が反って棚が崩れる危険もあるとのことで、今まで何事も無くて幸運だった。知らないというのは本当に恐ろしい。
陶芸用品は往々にして細かな使い方などの説明書きが無しで商品が売られている。売る方はそんなことぐらいは知ってるだろうとの前提なのだ。しかし私の様に独学に近い道を歩んでいると常識が無いのでよっぽど気を付けなければいけないのだと思う。
で、早速、少しサイズは大きくなるがカーボランダム棚板を注文した。

自作ツール「底メジャー」

2013年05月03日 | 仕事場や道具
ロクロでカップや湯飲みを挽いた後、高台を削りますが、僕は先ず底の厚みをきっちりと計りたいのです。以前、どこで削りを止めるかは指先で叩いた時の音色で判断すると教わったことがあります。しかし、同じものを何十個、何百個も作る時はよいが、作品により底面の広さや目指す厚みは異なるので多種少量制作にこの方法は向きません。そこでこのメジャーを作りました。

アルミ棒とアルミパイプ(内径7mm)とそれを繋ぐアルミ板をエポキシ系のパテでくっつける。棒とパイプは平行にし、垂直に立つように先端をそろえる。直径6mmの木の棒をパイプに通してその先に目盛りを描く。これをカップや花器をまたいで垂直に立てると、木の棒が飛び出した長さが底の厚みというわけです。

ロクロを挽く時には一応針で厚みを測ってはいますが、作品を亀板から切り取った後で+-2mm位の誤差はどうしてもあるのでこれが役に立ちます。また、ロクロを挽いている時に亀板上で厚みを計ることも出来ます。



自作エクストルーダー その2

2013年04月28日 | 仕事場や道具
前に紹介した自作エクストルーダーの分かりやすい画像です。ナットを蝶ナットに交換して外し易くしました。使ってみると、一気に押し出さないと圧力が変化して粘土の太さが均一にならないことが分かった。それから、棒を押しながら手前に引いて、出て来る粘土の帯が曲がらないようにしてやる必要もある。わざわざ作った石膏の成形型は結局必要なかった。フォーレックス板に描いた輪郭線の上で曲げるだけで十分。この方が流れ作業にもなる。
ちなみに、フォーレックスは表面にわずかな凹凸があるので粘土が張り付きにくく様々な陶芸作業にとても使い勝手がよい。サクサク切れるのでちょっとしたテンプレートによく使っている。それに、安いのがなにより。


自作の粘土エクストルーダー

2013年04月09日 | 仕事場や道具
マグカップの取っ手を作るためにエクストルーダーを自作しました。数千円の市販品もありますが、自分の好きな取っ手形状を得る為には自作に限ります。画像でほとんど分かりますが。材料は、内径20mmの塩化ビニールの水道管、板2枚、角棒とその先に付ける小さな板。外側の板は、ボルト、ナットで着脱できる仕組み。内側の板は管の外径にぴったりの穴を開けて接着剤で管に固定。そして、作りたい断面形状の穴を開けたアルミ板(1mm厚)を2枚の板の間に挟みます。要するにトコロテン押し出し機と似たようなものですが、粘土を押し出すのは楽しい作業です。出来た粘土の帯は石膏型で成形しています。

電動ロクロが故障

2012年09月28日 | 仕事場や道具

先日ロクロが突然回らなくなってしまった。買ってからまだ5年ほどで、しかも間違いなくあまり使っていないのに。
機種は、SHIMPOのRK-3D。早速購入先に連絡したところ、その日の内にSHIMPO名古屋支店から見に来てくれたが、持ち帰って検査しないと原因は分からないとのことで、結局そのままロクロを引き取って帰ってしまった。1週間から10日かかるとの話で、首を長く長くして待っていたら連絡があり、原因はボリュームという部品の故障で、部品代が4,200円、工賃は7千いくらかするという。「工賃が高いですね。」と言うと「部品交換後に設定の調整もしなければいけないので」との返事。一瞬迷ったが、部品を送ってもらって自分で直すことにした。内心、その調整と言うところがやや不安だったが、これくらいは自分でやらなければ。

さて、部品とロクロはバラバラに届き、早速修理に取り掛かった。ロクロを、スイッチの無い方を下にして横に寝かせ、下面のカバーを取り外すと、ボリュームはペダルの内側にビス2本で固定されていた。ビスは一般的なドライバーよりも1つ小型のサイズだった。で、部品を交換してみたが回らないではないか。ちょっとあせってSHIMPOに電話すると、部品と一緒に取り付け説明書を入れるように指示したはずだと言う。しかし、袋の中には何も無い。が、よく見ると袋の外側の送付状の裏に説明書入りの封筒が貼り付けてあった。と言うことで、やり直したら無事に回り出した。やれやれ!このボリューム、0点位置を検出してからでないとモーターは回らないので、歯車をゆっくりと回して0点を見つける必要があるのだ。

結局、かかった費用は部品代4,200円と帰りの運賃635円。ロクロは京都のSHIMPO本社まで行って帰って来た。工賃をうかすことができたものの、12日間仕事は中断して、そこそこの被害だ。このRK-3Dはダイレクトドライブなので回転がスムーズで、静かで、力が強く三拍子揃っているのだが、変速をベルトではなく電子部品で行っているためにこうした故障が起こりうる。ネットでそっくりな故障のブログ記事が一件あった。ちなみに、交換したボリュームは、型番が元のものとは異なっていたので、やはり元々何かしら問題があったのではないかと勘繰っている。僕の知り合いは電動ロクロを40年使っているが止まったことは無いと言っていた。また、別の知り合いは同じ機種を9年使っているがまだ故障していないとのこと。せめて、現場で検査してその場で結論を出してくれればもっと早く直すことが出来るのに、と、これはSHIMPOに言っておこう。