ロクロ作業は常に前かがみなので腰痛が起こりやすい。僕の場合は、30分ほどロクロをやっているとが次第に腰椎の左側辺りがジーンと痛み出す。そこで考案したのがこの椅子。昇降式の椅子のコロを外してある。背もたれは外し、替りに小型のパッドを取り付けてある。これは体を前傾した時そこに上半身の体重を預けるためのもの。これによって背すじをあまり曲げずに前傾する事ができる。また、作業に応じて椅子を昇降させる事でも背すじの曲げを最小限にする事ができる。ロクロの様々な作業を考えると昇降の高低差がもっと欲しいところだ。特に低い側が欲しい。
以前テレビで、ある腰痛持ちの陶芸家が立って挽くことの出来る特注の電動ロクロを使っていた。それは床下にモーターが設置されていて、1mを超える長いシャフトの先にターンテーブルが付いているという特殊なものだった。昔からロクロは、人がロクロに合わせて姿勢を色々変えながら作業する物だったが、人間工学の視点から考えるとロクロも椅子も作業に応じて高さをフレキシブルに調整できるべきだと思う。