このところ自作の釉薬がよく剥がれる。どれもマット釉でカオリンが40%以上の釉薬。画像左の白い釉は釉を厚掛けしている。薄く掛ければ縮れないのだが厚い方が表面が美しくなるので無理をしている。
右のブルーグレーの釉の基礎釉は今まで全く問題無かったが、今回激しく縮んだ上に飛び散って棚や隣の作品にまで掛かってしまった。こんな事は初めてでびっくり。初めて使った着色剤のグレー顔料が原因なのかもしれない。この後、CMCを加えたところ、剥がれは無くなったものの、同じ時間だけ釉を掛けてもごく薄くしか付かず、掛けにくくなってしまった。
行き詰ったので、多治見の釉薬屋さんカネアツのホームページからメールしたところ、オヤジさんらしき人が電話をくれた。状況を詳しく話すと焼成初期段階の換気が不十分な為、水蒸気が釉薬を浮かしている可能性が高いと指摘された。そこでアドバイスに従い、今までは電気窯の上面にある直径約5cmの換気口だけ開けていたのに加えて、前面の扉も3cmほど開ける事にした。ところが、250度でコンピューターがエラー表示となり焼成が止まってしまった。これは扉を閉めて焼成を再開して事無きを得たのだが、窯の仕様や性能によって対応を工夫する必要があるようだ。
その次からは、扉を開ける代わりに色見の穴2ケ所を開け換気を促すことにした。さらに、400度になった時点で換気穴にガラス板をかざして水蒸気の有無を確かめ、まだ水蒸気があるようだったら換気の時間を延長することにした。これは日頃色々相談にってのって頂いている栄木さんから教わったやり方。
同時に釉薬の改良も行った。画像右の釉薬は棚上げにして左の釉薬に取組んだ。今まではカオリンを生が2/3、焼カオリンが1/3だったのを、焼カオリンの比率を増やして半々にし、カオリンの縮みを抑制した。結局のところ換気と釉薬の改良でトラブルは解決した。ただ、どちらの対処法がどの程度功を奏したのかは定かではない。ただ何となく、どちらも有効だと感じている。カオリンの多い釉薬は、透明釉ベースの釉薬と比べて微妙な調整が必要なのだと思う。