ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

型で作る酒器 その2「石膏型と自作トリマー」

2015年06月17日 | 制作現場
原型を元に石膏型を左右作ります。石膏の型取りの方法は広く一般に紹介されているのでここでは省略します。
次に出来上がった石膏型に溝を掘ります。何のための溝かというと、左右の型に置いたタタラの接合部を実際
に必要な長さよりも数ミリ長くカットするためのガイドとなる溝です。接合部が数ミリ長いことにより、左右
の型を合わせた時に接合部に圧力がかかるのです。下の画像の溝は三角断面で深さ5mm、幅9mmで稜線から
1mmひかえています。溝は先の尖ったエグザクトナイフなどで掘ります。ちなみに、この溝を型に付ける技
法は陶磁器デザイナーの栄木正敏さんに教えていただきました。



タタラをカットするツールは自作のトリマーです。木材を加工して本体を作りますが、前述のガイドとなる溝に
ぴったりはまる形状にしてあります。本体の外周にはナイフで溝を刻んだ上でその溝に0.36mmのステンレ
スワイヤーをはめて巻き、両端をワイヤー止めのアルミ管でかしめます。要所要所を接着剤で固定して出来上
がり。これを溝に沿って移動させるとタタラの端末をたやすく一定にカットできます。このワイヤートリマー
は用途に応じて色々なものを作っています。”技を磨く前に最適の道具を作って仕事を簡単にする”というの
が僕のモットーです。技を磨くのはそう簡単では無いということもありますが、こうした道具を作ること自体
が愉しみなのです。材料さえ揃えればこの程度の道具ならば10分ほどで作れます。適切な道具を準備して
おけば後々の作業はずっと効率化します。


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