ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

LEDランプの制作(8)回路

2012年11月10日 | 制作現場
今回の話は、自作LEDランプの回路です。下の図にある部品をそろえてハンダ付けなどをして組み立てるわけですが、重要なポイントは以下の2点です。

(1)パワーLED、ACアダプター、抵抗器の最適な組み合わせを見つけること
(2)パワーLEDから出る熱を放熱するためのヒートシンク(放熱器)の最適な大きさを割り出すこと


以下の説明に出てくる部品は、各々電子部品のネットショップでそろいます。但し同じところで都合良く全てそろえることは出来ません。
また、私自身電気の専門家ではないので、以下の内容は単にあちこちで調べたことのまとめであり、責任の持てるものではないことをお断りしておきます。


(1)パワーLED、ACアダプター、抵抗器の最適な組み合わせ
・パワーLED
選ぶ基準は明るさと光の色味。明るさは6Wで白熱電球40W程度の明るさがある。色味は、専門的には色温度と言い、品揃えの多いメーカーの製品には白色、昼白色、昼光色などに相当する種類がある。
・ACアダプター
パワーLEDの詳しい資料を入手した上で、パワーLEDの電圧と電流を上回り、且つパワーLEDの消費電力の2~3倍の電力のACアダプターを選ぶ。かなりの余裕が必要だということ。
・抵抗器
セメント抵抗を使う。最適な抵抗値を次の計算式で求める。

(ACアダプターの電圧 - パワーLEDの標準順電圧)÷ パワーLEDの電流=必要な抵抗値

この必要な抵抗値Ωに近い値で、定格電力WがLEDの消費電力の2倍以上のセメント抵抗を、取りあえず選んだ上で、選んだセメント抵抗の検証を以下の計算式で行う。
   
      ACアダプターの電圧 - セメント抵抗の抵抗値 × パワーLEDの電流=回路内の電圧

     (回路内の電圧が、パワーLEDの標準順電圧と最大順電圧との間にあれば良い。)

抵抗を複数直列で繋ぐ時は、抵抗値が同じであれば定格電力は全部の合計になる。しかし、異なる場合は、抵抗値の大きいものは負担が大きくなるので定格電力に余裕が必要となる。

(2)ヒートシンクの適切な大きさ
1)本格的な計算のやり方
ヒートシンクの大きさを割り出す計算は、はっきり言ってややこしい。本格的に調べるには、専門書「パワーLEDの活用テクニック」/CQ出版 をお勧めします。

2)私のやり方
・先ず、既にある、パワーLEDに使われているヒートシンクの大きさを調べると、比較的大きめのもので以下の通り。(但しこれは表、裏、厚みを含めた表面積。)
          3W:160c㎡  7W:350c㎡
    
・次に、これを元に推測で大きさを決めて、ヒートシンクをホームセンターで買ったアルミ板で作り、パワーLED、ACアダプター、セメント抵抗とセットして、実際にパワーLEDがオーバーヒートしないで点灯し続けるかどうかを、温度を測りながら試験する。

細かなポイントは以下の通り: 
   
  ・・ パワーLEDは、温度測定位置と上限温度を指定しているシャープ社製を使う。
  ・・ パワーLEDとヒートシンクの接する面にはサンハヤト社の「固まるシリコン」
     を塗り、熱伝導を良くする。
  ・・ 熱電対温度計で、LEDの指定された電極の温度を測る。熱電対温度計には、例えば
     エーアンドデー社製のAD-5605Hがある。
  ・・ ヒートシンク面積が不足しているとLEDは次第に熱くなり、最後は焼き切れ
     てしまうので温度を注意深くチェックする。
  ・・ アルミ板は、板厚が厚い方が放熱効果は高い。詳しくは「アルミ板の熱抵抗」
     で、調べる。
  ・・ 試験時の接続には、ミノムシクリップやICクリップを使うが、実際の接続には
     ハンダ付けが必要となるので、正しいハンダ付けの知識を身に付ける必要がある。
  ・・ 陶製のランプの場合、ヒートシンクが陶に取り付けてあれば陶器自体が放熱する
     ので、その分ヒートシンクは小型化できると推測される。


パワーLEDは、LED電球に比べるとごく薄いスペースしか必要としないところが大きな特徴です。これを陶という素材と組み合わせることで今までにない照明が出来ると私は考えています。


    


      

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