河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

63 / 忍辱

2023年07月16日 | よもやま話

仏教の修行の中に「忍辱」というのがある。
「忍」は堪忍、忍耐の忍。
「辱」は屈辱、侮辱の辱。訓読みは「はじ」、「はずかしめる」
「忍辱」とは、他人からの侮辱、誹謗中傷、悪口、陰口に耐え忍ぶことである。
もう少し厳密にいえば、悪口に怒りをあらわにするのではなく、平常心でいるということである。

忍辱は「にんじょく」と読んでもよいが、仏教用語では「にんにく」と読む。
料理に使うニンニク(大蒜)の語源とされている。
仏教では忍辱を求めるのだが、ニンニクは嫌われる。
「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」
禅寺の山門脇の石碑に刻まれている言葉である。
「葷」とは、にんにく・ニラ・ネギ・らっきょう・ノビルなどの臭いの強いものをいう。
これらに加えて酒は、情欲や怒りをかきたてるもので、修行の邪魔になるというので寺の中には入れてはならないことになっている。

ニンニクの栄養価が高いことはよく知られている。
このニンニクを長時間かけて発酵させた黒ニンニクの栄養価は、白ニンニクの四倍といわれている。
そこで、長年欲しかった黒ニンニク発酵機を買った。
今までは、家の外に炊飯器のお古を置いて作っていたが、一か月ちかくかかった。
この発酵機は12日で完成する。

届いてすぐに自家製のニンニク2キロをセット。
買ってすぐに盗まれてはと、家の中に置いて電源ON!
今日で三日め。予想通り、我が家はニンニクの臭いが立ち込めている。
一週間もすれば甘酸っぱい臭いになる。
それまではニンニクの臭いに忍辱の日々である。

コメント
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