畑の中央と北側に管理耕運機が通れる通路を設けている。
その通路の二か所ずつに、プラスチックの植木鉢を置いている。
野菜や花を植えるためではなく、石を入れるためだ。
大和川の支流石川の河原を切り開いて造られた農地なので、石ころが多い。
作業をしていて、石を見つけると通路に投げておく。
通路を歩いている時、その石を拾って植木鉢に入れる。
植木鉢なら雨水がたまらない。
二か月に一回ほど、通路の草抜きを兼ねて拾い残した石を集め、植木鉢に入れて、農小屋の周りに捨てに行く。
オカンの代から拾った石が、小屋をぎっしりと取り囲んでいる。
「Where there's a will, there's a way.」
「意思あるところには道は開ける」
16代アメリカ大統領リンカーンの言葉だ。
しかし、我が畑では「石あるところに道は開ける」なのである。