久々に道の駅に出荷。
正月用に里芋の一種の八つ頭を初めて出す。
関東の雑煮は焼いた角餅にすまし汁をかけ、里芋と小松菜かほうれん草に蒲鉾、そして三つ葉を散らす。
その時の里芋は必ずといっていいほど八つ頭。
末広がりの「八」に、人の「頭」に立つ(出世する)の縁起かつぎ。
だから、正月前は八つ頭の値段が倍に跳ね上がる。
対して、関西の雑煮は丸餅を焼かずに白みそで炊く。
そこへ普通の里芋と細い祝い大根と色鮮やかな金時人参をすべて輪切りで入れる。
みんな丸く円満にすごせますようにという縁起かつぎ。
だから、案の定、道の駅の商品棚には八つ頭なぞ誰も置いていない。
そんな大阪で八つ頭がはたして売れるだろうか?
いやいや、広い日本、外国人だってたくさんいるのだから、大阪に関東出身の人が一人や二人、いや、10個出荷したから10人くらいはいるはずだ。
そして、10人ともが正月に八つ頭が食べられなくてイライラしているだろう。
「おっ! 珍しい八つ頭が出てるじゃねえか。一つ買ってやろう!」てえんで、売れるにちがいない。
それに、「こんなけったいな芋を買うやつおまへんやろ」という大阪人もいるだろうが、異文化理解、異文化共生の時代だから買う人もいるにちがいない。
どっちにせよ、縁起かつぎの前の縁起試し。
12・2・4時と閉店後の5時にどんなけ売れたかメールが配信される。
売れ残ったら閉店後に引き取りに行かなければならないが、今年は15回出荷して全て完売で15連勝!
12時のメールを見て唖然・・・1個。
なんのなんの、開店してまだ三時間だ。
2時のメールを見て呆然・・・1個。何回見ても1個のまま。
なんのなんの、閉店までまだ三時間もある。
4時のメールを見て愕然・・・2個。焼け石に水の2個。
5時のメールを見るまでもない完敗!
さあ、引き取りに行くとするか。
引き取りに行くと、普通の里芋はけっこう売れているではないか。
永年の年月に築かれてきた文化のなんと根深く、根強いことか!
「せやから、こんなけったいな芋は売れるはずないて言いましたがな」と頭の中の声。
けっこうマジなカルチャーショック。
完売すれば、新年の雑煮は、焼いた角餅に八つ頭にしようと思っていたが、郷の中の人間は郷にしたがうのがいい!
縁起試しの失敗は、縁起かつぎの丸餅に輪切りの里芋で、縁起直しするとしよう。
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