「ハテ、ハテ、ハテ」とつなげてオチにするのが河内俄だが、三つの「ハテ」は同じ調子ではない。
「ハテ?」〈小さな疑問〉
「ハーテ?」〈大きな疑問〉
「ハテ! わかったわい。オチ」〈感嘆〉
「ハテ」とツッコミを入れてオチをつける型が初期の大阪俄にあることから、河内俄が大阪俄に伝わったと結論したが、確証があるわけではない。
一歩ゆずって、「ハテ」でオチをつけた大阪俄が南河内に伝わったとも考えられる。
どちらにせよ、江戸時代の元文・寛宝の頃(1740年頃)には河内俄は存在していたことになる。
「ハテ」でオチを付ける〈大名俄・狂言俄〉の後に〈そりゃなんじゃ俄〉が登場する。
〇白い障子紙を貼った行燈(あんどん)をすっぽりとかぶった男が三人ほど、仰向けに寝ている。
一人が出てきて、
「そりゃなんじゃ」とたずねると、中から
「フカのかまぼこ」
〈もの言わぬ物がもの言う俄〉である。
〇黄色い布をすっぽりとかぶった男がじっとしたまま動かない。
一人が出てきて、
「こりゃなんじゃ」とたずねるが答えがない。
何度かたずねるが黄色い布はなにも言わない。
〈もの言わぬ俄〉である。
ハテ? ハーテ?
ハテと気づいた客が、
「クチナシ」
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