河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑86――蝉

2023年08月21日 | 菜園日誌

昨日(8/20)は四年ぶりの地蔵盆(祭)。
従来は23日と決まっていたが、平日は男手が少ないので第四日曜に変更された。
30年ほど前、私が子ども会の会長をしている時に、町内会にお願いして日曜日にしてもらったのだが、会長を辞めるとすぐに、町内の長老級の人から「地蔵盆は伝統ある23日でないとアカン!」と文句が出て、元の23日に戻されてしまった。
だが、その長老が亡くなられると、すぐに日曜日に変更された。
地蔵盆はセレモニー(儀式)であるとともに、子どもたちが楽しみにしているイベント(催し物)でもあるのだ。
年寄りは、世の中の変化に合わせて、固いことを言わずに、若い人がやり易いようにするのがよい。

地域や子どもの守り神である地蔵菩薩の縁日は、子どもが主役の楽しみな行事だった。
しかし、地蔵盆が終わると、シャンシャン、ニーニー、ジイジー鳴いていた蝉が鳴かなくなり、ツクツクボウシが鳴きだす。
その鳴き声を聞くと急に寂しくなった。
「そろそろ夏休みも終わりか・・・宿題せんとアカンがな!」
ツクツクボウシの「ホーシ・ツクツク」の鳴き声が「早よし、宿題」に聞こえた。
まだまだ猛暑が続いているが、蝉たちは季節の移り変わりを確実に感じている。

地蔵盆やツクツクボウシの鳴き声は、秋の農事の始まりを教えてくれる。
とはいえ、ここで早って秋野菜の種を植えてしまうと苦労する。
水やりやら、日除けのネットを張ったりやらで余計な手間がかかる。
はては、夕立や台風にやられて植え直しなどということになる。
へたをして熱中症にでもなれば元もこうもない。
せめて植えるとすれば収穫まで百日かかる人参。
本格的な秋の農事は二百二十日(=9/10頃)以降と決めている。

まずはのんびりと、休耕していた部分の畝立て。
朝の7時には30℃を越えている。
太陽が雲に入って陰るのを待つが、なかなか入ってくれない。
遠くでツクツクボウシが鳴いている。
「着け着け、帽子。着け着け、帽子」

※『楳嶺画鑑 六』幸野楳嶺(国立国会図書館デジタル)


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