四時半に目が覚めた。
四時なら、もう一寝入りするのだが、中途半端な四時半。
まあ、せっかくだから起きるとするか。
それでもって、薄ら明るい中を畑へ。
堤防から西の空を見ると大きな虹。
なにかしら縁起よく感じてパチリ。
何かで読んだ「虹ハ微薄ノ雨ニ日光映ジテ五彩ヲナス」という言葉を思い出した。
虹を七色としたのはニュートンで、それまでの日本では、中国の五行説に従って五彩(色)と考えていた。
井伏鱒二の『黒い雨』のラストで、主人公の重松が、姪の矢須子の原爆症が平癒することを祈ってつぶやく。
「今、もし、向こうの山に虹が出たら奇蹟が起きる。白い虹でなく、五彩の虹が出たら矢須子の病気が治るんだ」
これには伏線があって、小説中の被爆日誌に、重松が「白い虹を見た」と話すと、工場長が「悪いことの起きる前兆だ」という記述がある。
つまり、白い虹=不幸=原爆。
逆に、五彩の虹=幸福=平和。
原爆のない平和な世の中になりますようにという、作者の祈りが込められたラストなのである。
さて、今見ている虹は何ん色ある?・・・と数えてみる。
青・黄・赤・白・緑・・・確かに五色。五彩の虹!
なんとも目出度いと、東の山に目をやると日の出!
世界が平和でありますよう。
※銅版画はカリフォルニア大学バークレー校蔵
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