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古今東西のアートのお話をしよう

美麗なるほとけ 根津美術館

『根津美術館コレクションの中には、仏画作例が数多く含まれており、しかもそのジャンルは、密教系、釈迦・浄土信仰系、仏伝、絵伝、 縁起絵、垂迹画、禅宗系、宋元や朝鮮半島からの請来仏画など多岐 にわたっています。それらは、日本の私立美術館の中では最高レベル とといってよい質と量を誇っています。
本展覧会では、当館が所蔵する仏画の中でも、特に美麗な名品や 希少性が高い作例などにしぼった、いわばコレクションの粋を展示し ます。この貴重な機会に、仏画の華やかさや多彩な表現をぜひとも ご堪能ください。』パンフレットより

根津美術館が最高レベルと自負する仏画コレクション。美麗なるほとけの世界を堪能できました。


企画展は、撮影禁止のため写真はネット画像を借用しています

重要文化財 大日如来像 平安時代12世紀

まさに美麗なるほとけは、平泉・中尊寺地蔵院伝来の大日如来像、華麗な彩色は仏像の胎内に納められていたことによるそうです

大日如来は、真言密教の絶対的存在で、全ての如来・菩薩・天などは大日如来が姿を変えたものです


国宝 那智滝図 鎌倉時代13〜14世紀

熊野那智大社の御神体である那智瀧。垂迹画の傑作で、やまと絵と宋元画が融合した山水図でもある


重要文化財 愛染明王像 鎌倉時代13世紀

明王は密教の尊像で、如来の化身。
愛染明王は、「煩悩即菩薩」愛欲を悟りへと浄化させる明王

身体は愛欲の強さを表す赤色、一面三眼六臂で、愛欲を断ち切る弓矢などを持つが、愛と美の女神ヴィーナスの子、キューピッドの弓矢が原型
で機能が逆になっている、「煩悩即菩薩」ですね


重要文化財 釈迦如来・阿難像 鎌倉時代13世紀

京都・清凉寺の本尊が弟子の阿難尊者と飛来する


重要文化財 金剛界八十一尊曼荼羅 鎌倉時代13世紀

曼荼羅は、真言密教の世界観を絵画化したもので、金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅で構成される
金剛界曼荼羅は、中央に大日如来を配し、悟りへの道筋を示す
「成身会」において即身成仏を表す曼荼羅として飾られた



(部分拡大)

曼荼羅に描かれた弁才天


重要文化財 愛染曼荼羅 鎌倉時代13世紀

中心の大日如来が愛染明王に替わっている

『愛染明王を主尊とする別尊曼荼羅。肌色の肉身には朱の隈が濃く、エキゾチックな雰囲気を漂わせる。繧繝彩色(同系色を段状に塗り分ける技法)や金泥線を添えた宝相華文が美しい。数少ない愛染曼荼羅の1本であり、鮮やかな彩色をとどめる作品としても貴重である。人々の和合を願う敬愛法の本尊。修復後初めての展示。』



(部分拡大)


青い肉身はヒンドゥー教の女神像を思わせる



展覧会で一番の印象に残った作品
兜率天曼荼羅(とそつてんまんだら) 南北朝時代14世紀


(部分拡大)

『未来に如来になることが約束された弥勒菩薩が、兜率天に住まう様子を表す。堂のなかに坐す弥勒菩薩を、菩薩たちがとり囲み、その体や上階に置かれた宝珠が金色の光を放つ。緑や青の彩色に精緻な截金(きりかね)文様が映える優品。』

弥勒菩薩が住む兜率天は、インドの北、ヒマラヤ山脈の遥か彼方、六道の天道であり天部の神々が住む苦しみのない世界「北方兜率天浄土」である

単眼鏡で部分を見ると、
弥勒菩薩と天部の神々が、
音楽を奏でたり、舞ったり、空を飛んだり、蓮池を眺めたり、
実に楽しげで、キラキラ✨して、
見飽きることがない極楽浄土の世界

これはぜひ見てほしい😊


一階撮影可能エリアでは、新しい石像も展示しています

重要文化財 十一面観音立像
宝慶寺 中国・唐時代 8世紀



如来三尊像 中国・北斉時代 6世紀



弥勒菩薩立像 クシャーン時代 3世紀

驟雨のため、庭の見学は諦めました

地味な印象のある仏画のイメージを覆す、美麗なるほとけの数々

★★★★★

兜率天曼荼羅の

黄金の光に満ちた神々の遊戯に入り込む没入感がたまらない



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