奈良国立博物館からスケールダウンして巡回してきた「京都・南山城の仏像」。奈良博のタイトルが「聖地 南山城」だったことからも分かる通り、仏像の一部巡回です。
しかし、小規模ながら(だから良かったかも)重要文化財の優品が見られる、価値ある感動の展覧会でした。
『南山城(みなみやましろ)』とは、京都府の最南部で奈良市に隣接する地域。7世紀にこの地域にも興福寺、東大寺系の寺院が建立され、平城京から長岡京、平安京への遷都以降も新旧両都の回廊的地域であり山岳信仰の行地でもあった。
中でも、浄瑠璃寺は1107年に建立された現存最古の九体阿弥陀堂であり、庭園は平安時代の浄土庭園(特別名勝)の形態を残している。
お気に入りの仏像
(会場は一切撮影禁止のため写真は全てネット画像を借用しました)
十一面観世音菩薩立像 平安時代・9世紀 重要文化財 海住山寺
十一面はどんな意味かなと思っていましたが、会場に解説があり、単眼鏡で裏側の『大笑面』も観られました(◠‿◕)
メインは、浄瑠璃寺 九体阿弥陀如来坐像
広目天立像(四天王のうち) 平安時代・11〜12世紀 国宝 浄瑠璃寺
貴族趣味の豪華絢爛な鎧や衣装に目を奪われる、見事な彩色が残っている、後の慶派を思わせる表現
年に一度、本堂に灯りがともり、障子が開かれ、金色の九体阿弥陀が輝き、池面にその姿を写す
↓
文殊菩薩騎獅像 平安時代・10世紀
重要文化財 禅定寺
千手観音菩薩立像 平安時代・12世紀 重要文化財 寿宝寺
奈良博よりスケールダウンしているとはいえ、国宝、重要文化財の
平安仏は絵画の「やまと絵」と
同じく唐文化を消化した和様の『美』が見られる
★★★★★
お勧めします!
この後に行った「ローマ展」の
がっかり度は『平安仏』のせいかもしれない…