絵画の復元修復により、思わぬ画像が浮かび上がり話題になった作品がある。
ルネサンス芸術がフェレンツェで花開いていた15世紀、ネーデルラント地方(現ベルギー・オランダ)ではその後のルネサンスに多大な影響を与えた、油彩画技法の発明により、精緻な表現をもつ「ゴシックの写実主義」が頂点を迎えていた。
その最高傑作の一つが、ファン・エイク兄弟の「ヘント祭壇画」(1432年頃)です。
北方ルネサンスはサークルで解説
中央下が有名な「神秘の子羊と礼拝者たち」でイエス・キリストを表す神秘の子羊が生贄になっている。
写実的なのは、当然修復前の羊です。
しかし、ファン・エイク兄弟が生きていたネーデルラントの写実主義は、神秘主義的側面があるゴシック美術のそれです。
キリストを表す子羊が人面羊なのは神の化身だからでしょうか…
そういえば、もののけ姫のシシ神さまも人面です…
『復元プロジェクトを統括するエレーヌ・デュボワ氏は専門紙の取材に、子羊の本来の姿が明らかになり「皆が衝撃を受けた」と説明。本来の子羊は上塗り後の絵よりも「濃密なやり取りを見物人と交わしていた」としている。
ベルギー王立文化財研究所は声明で、プロジェクトによって「本来の鮮やかさ、細部の豊かさ、秀逸な色使いがよみがえり、あらゆる人が目にできるようになった」と称賛した。』そうです。