モーツァルトはホルンの名手、ロイドゲープとの出逢いによって、4曲のホルン協奏曲を作曲したと言われています。ロイドゲープは名手であっただけではなく、モーツァルトにとって冗談を言い合えるような友人であったとか。
…音楽を通じた交友関係というものは、さぞかし豊かで高尚なもののように感じるかも知れませんが、それは外から見た話。実際は、どうしてもお互いの格を測り合うところがあって、普通の友人のような関係にはなりにくいのです。わりとギスギスしているものなんです。
そんな中で「冗談を言い合えるような関係」というのは、ものすごく稀有なものです。妬まれることも多かったはずのモーツァルトにとっては、なおさらでしょう。きっと、数少ない親友だったはずです。4曲もの協奏曲を作ったことからも、それがわかります。
それに先立って作曲された「ホルン五重奏曲」は室内楽ですから、「協奏曲」よりもざっくばらんな形で、くだけたものと言えます。そのぶんさらに、才能を証明しようとか、パトロンに気に入られたいとか、お金を稼ぎたいとかいう、一切の気負いや雑念が取り払われた音楽になっています。モーツァルトがリラックスすると、ここまで明るい曲になるのかという作品。親密な間柄の中で、純粋に音楽の喜びを共有しようという、その空気を再現したいものです。
さて、今日もリハーサル。ホルン五重奏を中心に。
わずか2回目ではありますが、ずいぶんとこなれて来ました。やはりホルンの梅島氏の、若さによる柔軟性とポテンシャルの高さによるものです。
私たちも、見習うと同時に、取り戻すべきものを感じます。
この曲が本来持っている、純粋な音楽の楽しみが、会場の皆さんとも分かち合えるようにしたいと思います。
チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。
ただいま25箇所
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