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山口益路のフォトライブラリー。

ヤマモモの話

2012-07-10 00:01:00 | むだ話



                                        故郷の味


                                        

                         これはヤマモモの残骸です。

                         東京ではヤマモモが良く街路樹に植えられています。
                         この季節になると、実が落ちて、踏まれて、潰れて歩道を汚します。
                         勿体無いことです。
                         かといって、排気ガスまみれの実は、さすがに食べる気にはなりません。

                         僕にとってヤマモモの味は、懐かしい故郷の味なんです。

                                                  故郷の和歌山・古座川町では、今頃になると手拭いを被ったオバサンが売りに来たものでした。
                         小学生の頃は、友達たちと山に採りに行ったりもしました。
                         中学校の裏山のかなり高い所にヤマモモの大きな木があって、道の無い藪をみんなで這い上がりました。
                         持って行った袋にパンパンに入れて、それでもまだ一杯生っているので、ズボンのポケットにもギュウギュウに
                         詰め込みました。
                         そして道の無い急な藪を、尻で滑りながら下りました。
                         下に着くと、ポケットのヤマモモが潰れて、半ズボンから赤い汁が垂れています。
                         ズボンも真っ赤、パンツも真っ赤、00ポコも真っ赤。
                         みんなで見せ合って、大笑いしたものでした。

                         洗った後、サッと塩水に潜らせて、口に放り込むと口中に広がる甘酸っぱい初夏の味。
                         東京に来てからはトンと味わった事がありません。
                         味わうどころか、まともな姿も見た事がありません。
                         見るのは歩道で踏み潰された、無残な姿だけ。

                         東京人は、このヤマモモの味を知っているんだろうか?


                         故郷は山川海に星月夜

                                                  (星月夜とは、月が出ていないのに、星の明かりで月夜の様に明るい夜の事です)

                                       

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