故郷の味
これはヤマモモの残骸です。
東京ではヤマモモが良く街路樹に植えられています。
この季節になると、実が落ちて、踏まれて、潰れて歩道を汚します。
勿体無いことです。
かといって、排気ガスまみれの実は、さすがに食べる気にはなりません。
僕にとってヤマモモの味は、懐かしい故郷の味なんです。
故郷の和歌山・古座川町では、今頃になると手拭いを被ったオバサンが売りに来たものでした。
小学生の頃は、友達たちと山に採りに行ったりもしました。
中学校の裏山のかなり高い所にヤマモモの大きな木があって、道の無い藪をみんなで這い上がりました。
持って行った袋にパンパンに入れて、それでもまだ一杯生っているので、ズボンのポケットにもギュウギュウに
詰め込みました。
そして道の無い急な藪を、尻で滑りながら下りました。
下に着くと、ポケットのヤマモモが潰れて、半ズボンから赤い汁が垂れています。
ズボンも真っ赤、パンツも真っ赤、00ポコも真っ赤。
みんなで見せ合って、大笑いしたものでした。
洗った後、サッと塩水に潜らせて、口に放り込むと口中に広がる甘酸っぱい初夏の味。
東京に来てからはトンと味わった事がありません。
味わうどころか、まともな姿も見た事がありません。
見るのは歩道で踏み潰された、無残な姿だけ。
東京人は、このヤマモモの味を知っているんだろうか?
故郷は山川海に星月夜
(星月夜とは、月が出ていないのに、星の明かりで月夜の様に明るい夜の事です)
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