- FSB (Федеральная служба безопасности) - 連邦保安庁
- SVR (Служба внешней разведки) - 対外情報庁
- FSO (Федеральная служба охраны) - 連邦警護庁
- GRU (Главное разведывательное управление) - ロシア連邦軍参謀本部情報総局
- VTU (Военно-топографическое управление) - ロシア連邦軍参謀本部軍事測量局
【ロシア連邦保安庁】FSB Федеральная Служба Безопасности
略称 ФСБ(エフエズベー)
連邦保安庁長官 アレクサンドル・ボルトニコフ Александр Бортников (2008年5月~)
住所:101000 ул.Б.Лубянка, д.1/3
電話:914-39-08(社会関係センター)、921-07-62(FSB当直局)
「ロシア連邦における連邦保安庁機関に関する」法律に従い、FSBは、ロシア連邦の安全保障戦力の構成部分であり、その賦与された権限内において、個人、社会及び国家の安全を保障する。FSBは、ロシア連邦大統領に直属する連邦執行権力機関である。
FSBは、「ロシア連邦の安全の脅威に関する情報の入手のために、その権限内において、及びロシア連邦対外諜報機関と協力して」、諜報活動に従事する権利も有する。
連邦保安庁機関の活動及びその成果の文書化のために、情報システム、ビデオ及び音声記録、映画及び写真撮影、その他の技術手段が使用される。
- 防諜局(Служба контрразведки:СКР)
- 防諜作戦部
- 防諜活動調整・分析局
- 特殊措置局
- 施設防諜局
- 捜査活動情報保障局
- 情報セキュリティ・センター
- 軍事防諜部
- テロ・政治的過激主義対策局
- 特殊任務センター
- 国際テロ対策局
- 組織運用局
- 捜査局
アルファ部隊(Альфа)
ロシア連邦保安庁の特殊部隊。任務は、テロ対策、人質解放、輸送手段、国家施設の奪取と関連した過激派対策といったロシア国内のみでの活動である。もっとも、一般には本来の任務とは逆に、ソ連のアフガニスタン侵攻の際に、ハーフィズッラー・アミーン大統領の官邸を襲撃した部隊として知られている。アルファ部隊は、現在、同じく旧KGBの特殊部隊ヴィンペル部隊と共に、連邦保安庁の憲法体制擁護・テロ対策局特殊任務センターの下にある。隊員は、全員が将校であり、その能力は、ロシアの特殊部隊の最高峰に位置すると言える。隊員は、フルフェイスのチタン製ヘルメットを装着していることから、Heavy Faceのあだ名で呼ばれることもある。
- 捜査情報・国際関係局
- 捜査情報部
- 分析局
- 戦略計画局
- 公開情報課
- 国際協力局
組織人事業務局
- 特殊登録局
- 組織計画局
- 人事局
- 兵員監察局
- 監督・監査局
- 内査局
- 兵器・軍事・特殊機材発注・納入局
- 捜査技術措置局
- 情報技術科学研究所
- 科学研究センター
- 会計・経済局
- 物資・機材保障局
- 資本建設局
- 取調局
- レフォルトヴォ取調拘置所:2006年から法務省の管轄下
- 総務局
- FSB受付
- 契約・法務局
- 通信保安センター
- 通信手段無線電子諜報センター:旧FAPSIの部署
- 特殊局:暗号
- ライセンス・証明・国家秘密保護センター
- 特殊技術センター
- 犯罪学研究所
- 国境作戦研究センター
- 捜索局
- 協力プログラム局
- 社会関係センター
- 登録・公文書フォンド局
- 公文書センター
- 無線防諜局(R局)
- 航空局
- 特殊通信局
- 軍事医療局
- 軍事建設局
- 警備局
- 当直局
- 軍事動員課
- FSBアカデミー
FSB対外諜報機関の筆頭部署は、ロシア連邦FSB分析・予測・戦略計画部(DAPSP)作戦情報調整局(UKOI)である。
この局の外、対外諜報機関には、更に一連の領域機構(いわゆるFSB局構成下の領域諜報部署)と部隊(軍におけるロシア連邦FSB機関、いわゆる旧軍事防諜部機関の諜報部署)機構が含まれる。FSBの対外諜報機関が、SVRと同様に、国外で諜報活動を完全に実施し、並びにロシア連邦領土から諜報を行っていることは興味深い。
特務機関建設のアメリカの経験の盲目的コピーは、ロシアの現実の条件下において、事実上、ロシア特務機関の活動における重複と不健全な競争をもたらした(それにも拘らず、機構が大きくなれば、将官職も多くなることは理解されている。)。
FSBに関する法律において、諜報活動は、事実上、任務の1つに入っている。マスコミに公表されたFSBの機構に関する情報から判断すれば、分析・予測・戦略計画部の枠内において、言及された作戦情報 調整局も存在する。明らかにしたように、FSBを指揮するヴャチェスラフ・ウシャコフは、実際に、1998年から2000年まで、カレリア大統領全権代表職を占めていた。2000年9月、彼は、FSBの「局の1つ」の長に任命された。彼自身がカレリアのジャーナリストに表明したところによれば、 「彼とパトルシェフの間には、「頭1つ」しかないが、恐らく、彼は、新指導部と直接付き合うだろう」。この際、ウシャコフが指揮した局の名称は、秘密とされている。
しかしながら、実際のところ、その義務に諜報活動が含まれる特殊部署がFSBに何故創設されたのか、最後まで明らかではない。というのも、既にソビエト時代から、各FSB領域機関、例えば、モスクワ局には、独自の「第1局」、言い換えれば情報局が存在する秩序が維持されているからである。事実上、この部署は、FSBの定員に入りながら、二重の従属下にあり、その指導者は、FSBとSVR間の合意により任命される。当該機構の主任務は、ロシア領内で外国人を徴募することである。
命令出現には、2つの説がある。この命令は、何よりも、新しい階級のために将官に必要なのか、あるいは、若干の情報によれば、実際に、ヴャチェスラフ・ウシャコフの局は、 非常に微妙かつデリケートな業務、つまり、旧ソ連諸国を監督している。特にこのことにより、その特別な地位が説明されるという。
2003年には、連邦国境庁 (FPS) が行っていた国境警備機能全体、連邦政府通信・情報局 (FAP SI) が行っていたSIGINT機能、連邦税務警察庁 (FSNP) が行っていた金融犯罪捜査機能の一部 も移管され、旧ソ連のKGBの姿に戻りつつある。
CIS諸国やモンゴルのような友好国との国境の警備は、逐次非軍事化が図られている。その一方で、ロシア連邦内のチェチェン共和国の行政境界は、軍事組織が警備を実施している。
旧ソ連のKGBで対外諜報を担当していた第一総局の後継機関である。
本部は、モスクワ南部のヤセネヴォに位置する。
CIS諸国とは相互に諜報活動を行わない協定を締結している。
このため、CIS諸国における諜報活動には、連邦保安庁 (FSB) が従事している。
「対外諜報に関する」法律により、SVRは、ロシア連邦安全保障戦力の構成部分であり、本連邦法により規定された方法及び手段を使用して、個人、社会及び国家の安全を防護することが要求される。
諜報活動は、以下により実施される。
-
ロシア連邦の死活的に重要な利益に係わる外国国家、組織及び人物の現実的及び潜在的能力、行動、計画及び意図に関する情報(以下「諜報情報」という。)の入手及び処理
-
ロシア連邦の安全保障のために国家が実施する措置の実現への協力
諜報活動実施の必要性は、他の方法によってはロシア連邦の安全保障が不可能か又は目的に適わないことに基づき、その権限内において、ロシア連邦大統領及び連邦院が決定する。
SVRの地位は、1992年7月8日付対外諜報に関するロシア連邦法と大統領により承認されたSVR規程により規定された。SVRの前身は、ソ連KGB第1総局だった。
分析・情報局
対外防諜局
(秘密部隊)ザスローン部隊
ザスローン(Заслон)とは、ロシア語で防壁を意味する。ロシアの特殊部隊中で最も機密性が高く、その任務は明らかにされていないが、暗殺、破壊工作等を任務とした旧KGB第一総局の特殊部隊、ヴィンペル部隊と同様だと思われる。
ザスローン部隊は、1998年に創設された。隊員数は、約300人で、24時間待機状態にある。その行動については、他の特務機関にも知らされていない。元KGB職員の言葉によれば、「彼らの作戦が成功したならば、世界はその成果についてすら知ることができないだろう」。
2003年のイラク戦争時、駐イラク・ロシア大使館の警備と秘密文書搬出のために、ザスローン2個グループがバグダッドに派遣されたという未確認情報が現れた。
2006年、ロシアのマスコミでは、駐イラク・ロシア外交官殺害への報復のために、ザスローン部隊が投入されたとある。
経済情報部
科学技術情報局
作戦技術局
情報学局
作戦課(複数)
運用・保障部署(複数)
世界各国のロシア大使館には、支局が存在する。
【ロシア連邦警護庁】 略称ФСО
ロシア版シークレット・サービスともいえる機関であり、大統領を始めとする政府の重要人物の警護、政府庁舎の警備を主管している。
2004年8月からは、政府通信の保障機能も遂行している。
また、組織犯罪対策の裁判において、証人、裁判官、警察機関職員の警護等、いわゆる証人保護プログラムも遂行している。なお、任務遂行にあたって、一定の諜報・捜査権限も与えられている。
連邦警護庁の前身は、ソ連国家保安委員会 (KGB) 第9局である。
このため、元KGB第9局、連邦警護庁職員は、ヂェヴャーチク(девячик;9番)と俗称されている。
機構
特殊通信・情報局
特別任務ガレージ
モスクワ・クレムリン警備司令官局
大統領連隊
大統領音楽隊
報道局
【ロシア連邦軍参謀本部情報総局】(GRU)
ロシア連邦軍における情報機関。主として軍事情報を収集する。
参謀本部情報総局(Главное разведывательное управление)
GRU(グルー、ГРУ)と呼ばれる。旧ソ連時代から存続している組織である。
ロシア連邦軍における情報機関。主として軍事情報を収集する。
参謀本部情報総局(Главное разведывательное управление)
を略してGRU(グルー、ГРУ )と呼ばれる。旧ソ連時代から存続している組織である。
組織上は、列国と同様に、参謀本部の一部署に過ぎないが、参謀系統を通した情報の収集の外、スパイ活動、SIGINT、偵察衛星、特殊部隊スペツナズの運用も管轄しており、ソ連KGBに匹敵する巨大な情報機関である。第二次世界大戦中の有名なスパイ、リヒャルト・ゾルゲは、GRUの管理下にあった。
GRUの総局長は、参謀総長及び国防相にのみ従属し、SVRやFSBと異なり、大統領に直接報告することはない。
GRUの本部庁舎は、モスクワ、旧ホドゥンキ地区、ホロシェフスコエ通りに位置するガラス張りの9階建ての建物である。GRU職員からは、ステクリャーシュカ(Стекляшка;ガラスビル)と呼ばれているが、
一般にはアクワリウム(Аквариум;水族館)として知られている。
【ロシア連邦軍参謀本部軍事測量局】(VTU)
(略語ВТУ)とは、ロシア連邦軍の需要のために地図、写真資料を収集、製作、配布する参謀本部の部署である。
偵察衛星の運用において、参謀本部情報総局(GRU)と密接に協力しており、また、GRUのHUMINTに基づき、仮想敵の駐屯地、軍港等の特殊な地図も製作している。
ソ連時代、一般人への詳細な地形図の販売は禁止されていたが、現在では購入可能である。
衛星写真は、ソフインフォルムスプートニク社が取引している。
軍用地図
ロシア連邦軍の戦術級指揮官の基本地図は、1:50,000地図である。現状では、10~15年に1回、更新されることになっているが、地図の老朽化は毎年3%に達し、10~15年間では40%に達し得る。
軍事測量局の評価によれば、部隊の要求を満足させるためには、過疎地区に対しては8~10年毎に、居住地区及び産業発展地区に対しては3~5年毎に更新する必要があるとしている。