女房がシクラメンの鉢を買ってきました。真紅のシクラメン。今年のはちょっと首が長い品種のようです。
シクラメンというとボクら世代(昭和を生きた年代)は、小椋佳の名曲「シクラメンのかほり」を思い出します。この曲は布施明も歌って大ヒットしましたよね。フォークソングと歌謡曲の融合みたいな感じで、シンガーソングライターが作った曲を歌謡曲歌手が盛んに歌って流行していた時代でした。ボクも高校時代のフォークギターに夢中になっていた時代でしたので、この曲の独特の前奏のギターフレーズを、一生懸命コピーして練習した記憶があります。
ですが今思い返すと、ボクは当時「シクラメン」という花の名前は知っていましたが、その名称と花の姿は頭の中で結びついていませんでした。当時、花の名前なんて「朝顔」と「ひまわり」くらいしか知りませんでしたからね。この曲の歌詞にある「真綿色したシクラメン」も、よく考えれば「真綿」ですから「白」ですよね。「白いシクラメン」です。最近のボクが抱いているシクラメンのイメージとは随分かけ離れます。そもそも「シクラメン」はそんなに香りがする花ではありませんから、「シクラメンのかほり」といってもどんな香りかイメージが湧きません。
そんなことを考えていたら、歌が流行していた当時に歌詞にある「花の名前」と「花の姿」が結びつかないまま聞いていた曲が他にもあることに気が付きました。「ひなげしの花」(アグネス・チャン)、「サルビアの花」(もとまろ)、「忘れな草をあなたに」(倍賞千恵子)、「沈丁花」(石川優子)…などなど。今なら、きちんと「花の姿」を思い浮かべて曲を聴けるのにね。
あいみよんの「マリゴールド」の頃には、ちゃんと花の姿をイメージしながら曲を聴くことができました。ボクも成長したってことですね。