2月5日 神通滝よりの続きです。
R193を美郷まで戻り、美郷郵便局から県道250号へ。川田川沿いを奥に進む。ホタルの里で有名なポイントを過ぎると、ほとんど人家がなくなる。昨年はチェーンを装着(実際はオートソックス)したが、今年は雪がない。だからこそ突然出現した氷のオブジェには目を奪われた。「谷で見かけた氷の自然美」
県道から林道へ入ると、道路上に雪が目立ち始め、ついには道を覆ってしまう。
エスケープゾーンの真っ白い雪の上に付いたスタッドレスタイヤの跡。
滝に近づくと、道路に積もった雪は約5cm。四駆なら普通タイヤでも走れる程度だが、帰り道では、ガードレールのない凍った坂道を下ることになる。スタッドレスでよかった。
母衣暮露の滝入口の駐車スペースには、車が3台。うち2台は香川ナンバー。
再び長靴に履き替え、滝への遊歩道へ。
雪に覆われた渓谷は、まったく違った顔を見せる。昨年5月に訪れた際は、新緑の渓谷だったっが、真っ白な世界の趣も、やはり美しい。
遊歩道を数分登り、岩場をまわりこむと、滝が見えてくる。普段は水量が少なく、見栄えのしない滝だが、冬の姿は別格である。
展望所の少し手前で、4・5人が固まって話をしている。近づくと、昨年と比較してどう・・・とか話をしているので、1月訪れた際のことを話すと、驚いていた。あのときは、辿りつくのも難しいくらいの積雪だったから、訪れた人は少なかっただろう。
神通滝同様、この滝も溶け始めている。滝口からは水がほとばしり、所々かけ落ちた氷壁の隙間を水が流れ落ちる。
岩肌を覆う氷の壁は、昨年ほどの迫力はないが、青く見える具合は、昨年より美しくさえ見れる。溶けかけ、水の伝う氷が美しくて、ここでも滝周辺の写真を多く撮った。

滝前で、Canonの望遠を三脚に据えて撮っている人がいた。
近づいていくと、「ごめん、邪魔ですか?」といって場所を譲ってくれる。恐縮してしまった。
よく見ると、広角レンズを付けたもう一台を持って、交互に使っている。聞くと、高松から来たそうだ。使っているのが白いレンズなので、F2.8Lですかと聞いたら、F4の100-400mmだとの答え。風景中心だと、F2.8より価格的にも使い勝手がいいとか。収差についても語られていたが、私のレベルではまだそこまでレンズの違いは分からない。いつか理解できる時が来るまで、この時の会話は覚えておきたい。蛍石レンズのことも話していたが、これは今のところCanon使いだけの楽しみである。
この方と出会って、また一つ学んだこと。
私は、滝を下から見上げて撮るのが好きだが、こだわると平坦な絵になる時がある。滝と目線を同じにして、陰影を加えたいと言って、岩場を登って行ったので、私も右岸の岩場を少し登ってみる。やはり違った顔が見えてくる。
やはりいろいろな人の撮り方を見るのは勉強になる。
先ほどの方は、私より先に来られて、まだ粘られるようだ。約一時間をここで過ごしていたので、挨拶して先に引き上げる。車に戻って、昼食をとる。目の前は、滝下流の渓谷。雪に覆われた渓谷での食事も、またいいものである。
13時半、母衣暮露の滝を発って帰路につく。帰宅したのは15時。225km 5,113歩の遠征は、思ったより見事な氷瀑に恵まれ、ラッキーな一日であった。