谷戸は若葉のトンネルが出来、
その下を歩いていく人々は、
その梢の美しさを楽しんでいる。
明るい陽射しに眠りから覚めると、
体内時計が人間も自然の一部だと教える。
若葉のトンネルを歩き、東から上る太陽の明るさが、透き通るようなその葉にあたっていると、子供のようになるのを感じる。その喧騒を忘れさせる景色は、心身ともに癒され、服装も少し明るめの色になっている。外出自粛は恨めしが、初夏の日差しの中を半袖で闊歩するのは楽しい。空は薄青色のコップように輝き、僕は草の上の彼女の影を見る。