子どもたちが買い物袋を提げ、
駅前を歩いていたのが鞄を背負っている。
冷蔵庫の産毛の生えている桃も、
爽やかな甘さも冷えすぎているよう。
しかし、
橙色に染まっていく夕暮れは、
時計の針はまだ夏のようだ。
残暑厳しい日々は昼の余熱で夜も寝苦しく、暑さ疲れに夕食を済ますといつの間にか瞼が閉じている。しかし、暑い「キリッと」しない夏は、朝晩の涼しさに季節の変わり目を感じる。
強い陽射しに照り付けた素肌は、分厚い入道雲が中層雲の景色に変わると薄れていく。