風の吹くまま

大好きな自動車について、思いついたことを投稿します。

言葉のマジック

2007-08-08 11:45:43 | クルマの映画・マンガ・小説等
高齋正さんという作家がいます。
学生時代に数冊読んだだけなので、
ファンといえるほどのレベルではないのですが、
クルマや飛行船、カメラなど、
機械をテーマにした作品を色々書いておられます。

僕が読んだのは当然クルマ関連の作品で、
「ロータリーがインディーに吼える時」
「ニッサンがルマンを制覇する時」
「燃えるサーキット」
「愛車のキー」など。
なにぶん読んでから20年くらい経っているので、
細かい内容はすぐに思い出せないのですが、
読み出すと夢中になって、
ほとんど一気に読了したものでした。

高齋さんの作品の面白さは、
「現実と空想を巧みに織り交ぜて描いているところ」にあります。
例えば「ロータリー~」の場合、
実在の人物が名前を少し変えて登場し(片山義美を片岡義郎など)、
メーカーが新しいエンジンを開発する過程(架空の設定)や、
インディアナポリスが「ブリックヤード」と呼ばれる由来(事実)などが、
ごく自然な流れで、リアリティを持って物語の中に溶け込んでいます。
頭では小説だと分かっていながら、いつの間にか、
「これなら現実に起こりそうだ」という気にさせるのです。
クルマが好きで、
それなりに知識がある人なら、
読み進むにつれて、
どんどん高齋ワールドに引き込まれていくことでしょう。

(ちなみに「ブリックヤード」と呼ばれる理由は、昔インディアナポリス・モータースピードウェイのコースに、煉瓦が敷きつめられていたから。今でもスタートラインあたりに煉瓦が一部残っています。インディファンならご存じですよね)

他にも、クルマの話でありながらSF仕立てになっていたり、
アイデア豊富で楽しい作品がたくさんあります。

「汚れた英雄」などで知られる大薮春彦さんの作品にも共通していえることですが、
クルマのメカニズムなど、
普通は言葉で説明するのが難しいことを、
見事な表現で巧みに文章化されているのを読むと、
「ゾクゾクッ」とするような快感を覚えます。
小説でクルマを味わうのも、
クルマ好きの楽しみの一つといえるでしょう。


☆面白い作品ばかりなのですが、残念ながら絶版になるなどして、現在は手に入りにくいものもあるようです。興味がある方は古本屋さんかネットオークションなどで探してみてはいかがでしょうか☆

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