クルマの性能は、単純に数字で比較できるものではありませんが、
京都ヴィンテージカー・フェスティバルにおいて、
ほぼ同時代に日本と英国でつくられた、
素敵なオープンスポーツカーに会えたので、
ウィキペディア等の資料をもとに少し比べてみたいと思います。
今回取り上げるのは、
日本代表ホンダS800と、英国代表ロータス・エランの2台。
どちらも典型的なライトウェイト・スポーツカーで、
低い車高、小ぶりなオープンボディ、2シーター、
ツインカム4気筒エンジンを縦置きにしたFR形式、
バリエーションとして屋根のあるクーペボディもある、
といった共通点があります。
大きく異なるのはエンジンの排気量です。
エスハチが名前の通り800cc(正確には791cc)なのに対し、
エランは1600cc(正確には1558cc)と、ほぼ倍あります。
馬力は、エスハチが70馬力で、エランが105馬力となっています。
当然エスハチのほうが負けているわけですが、
1リッターあたりに換算すると、エスハチは87.5馬力、
エランは65.6馬力となり、
ホンダエンジンのほうが高効率であることが分かります。
さすがは「エンジンのホンダ」ですね。
では、パワーウエイトレシオを計算してみましょう。
エスハチの車重は755kgということなので、
これを70で割ると、約10.8kg/psとなります。
これに対してエランは、FRPボディの恩恵もあって、
なんとたったの635.5kgしかありません。
これを105で割ると、約6.05kg/psとなり、
加速力ではエランが大きく上回っていることになります。
エランが完調であれば、きっとびっくりするくらい速いはずです。
ボディがFRPということは、重量物が車体中心の低い位置に集まり、
そのぶんヨー慣性モーメントが小さくなりますから、
コーナーリング性能も相当ハイレベルに仕上がっているはずです。
(※エランの車重は資料によって差がありましたが、
この計算ではウィキペディアのデータを用いました)
それでは写真をご覧ください。
まずはエスハチから。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/73/d5c5317b1020b75d8add58911b1fd536.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/38/4a52c0d69398ecfa577f975a0e2e837c.jpg)
エスハチが発売されたのは1966年ですが、
前身のS500は1963年、S600が1964年に出ているので、
基本的なデザインは1963年に完成していたことになります。
ダットサン・フェアレディは1962年にすでに出ていましたが、
ライバルのトヨタ・スポーツ800の発売は1965年ですから、
発売当初、日本のライトウエイトスポーツカーとしては、
かなり先進的なデザインだったのではないでしょうか。
今見ても非常にかっこよく、あまり古臭い感じはしないと思います。
ちなみにロータス・エランの発売は1962年です。
ではエランの写真をご覧ください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/1e/29c20f301ea9d39db20b3c626f3ed463.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/2b/a5a56c5c4ecf91f8d8a8c2986e07f063.jpg)
正確な年式は分からないのですが、
幌と窓の隙間にウインドウサッシュが見えるので、おそらくS3あたり、
1967~1968年頃のモデルではないかと推測しています。
低く構えた安定感のあるスタイリングは、さすがにロータスといったところ。
「レーシーな雰囲気」という意味では、エランが一枚上手でしょう。
スポーツカーとしての全体的なパッケージングに関しても、
やはりイギリスのメーカーに軍配が上がるような気がします。
しかし、存在感というかオーラみたいなものは、
日本のエスハチも決して劣ってはおらず、
両者互角ではないかと思っています。
もちろん動力性能的にはエランのほうが優れているはずですが、
「楽しさ、面白さ、気持ちよさ」といった面においては、
きっと優劣がつけられないのではないかと想像します。
そして、スポーツカーを選ぶ基準の中で、
「楽しさ、面白さ、気持ちよさ」は、重要な位置を占めますから、
どちらを選ぶかは、結局のところ、
純粋に好みと財布の問題となるような気がします(笑)。
いずれにせよ、40年前のスポーツカーを、
ショーの会場に乗りつけられる状態に維持されているわけですから、
レストアやメンテナンスには手間もお金もかかっているはずであり、
オーナーの深い愛情が伝わってきます。
僕も早くスポーツカーを買えるゆとりをつくりたいものです。
京都ヴィンテージカー・フェスティバルにおいて、
ほぼ同時代に日本と英国でつくられた、
素敵なオープンスポーツカーに会えたので、
ウィキペディア等の資料をもとに少し比べてみたいと思います。
今回取り上げるのは、
日本代表ホンダS800と、英国代表ロータス・エランの2台。
どちらも典型的なライトウェイト・スポーツカーで、
低い車高、小ぶりなオープンボディ、2シーター、
ツインカム4気筒エンジンを縦置きにしたFR形式、
バリエーションとして屋根のあるクーペボディもある、
といった共通点があります。
大きく異なるのはエンジンの排気量です。
エスハチが名前の通り800cc(正確には791cc)なのに対し、
エランは1600cc(正確には1558cc)と、ほぼ倍あります。
馬力は、エスハチが70馬力で、エランが105馬力となっています。
当然エスハチのほうが負けているわけですが、
1リッターあたりに換算すると、エスハチは87.5馬力、
エランは65.6馬力となり、
ホンダエンジンのほうが高効率であることが分かります。
さすがは「エンジンのホンダ」ですね。
では、パワーウエイトレシオを計算してみましょう。
エスハチの車重は755kgということなので、
これを70で割ると、約10.8kg/psとなります。
これに対してエランは、FRPボディの恩恵もあって、
なんとたったの635.5kgしかありません。
これを105で割ると、約6.05kg/psとなり、
加速力ではエランが大きく上回っていることになります。
エランが完調であれば、きっとびっくりするくらい速いはずです。
ボディがFRPということは、重量物が車体中心の低い位置に集まり、
そのぶんヨー慣性モーメントが小さくなりますから、
コーナーリング性能も相当ハイレベルに仕上がっているはずです。
(※エランの車重は資料によって差がありましたが、
この計算ではウィキペディアのデータを用いました)
それでは写真をご覧ください。
まずはエスハチから。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/73/d5c5317b1020b75d8add58911b1fd536.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/38/4a52c0d69398ecfa577f975a0e2e837c.jpg)
エスハチが発売されたのは1966年ですが、
前身のS500は1963年、S600が1964年に出ているので、
基本的なデザインは1963年に完成していたことになります。
ダットサン・フェアレディは1962年にすでに出ていましたが、
ライバルのトヨタ・スポーツ800の発売は1965年ですから、
発売当初、日本のライトウエイトスポーツカーとしては、
かなり先進的なデザインだったのではないでしょうか。
今見ても非常にかっこよく、あまり古臭い感じはしないと思います。
ちなみにロータス・エランの発売は1962年です。
ではエランの写真をご覧ください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/1e/29c20f301ea9d39db20b3c626f3ed463.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/2b/a5a56c5c4ecf91f8d8a8c2986e07f063.jpg)
正確な年式は分からないのですが、
幌と窓の隙間にウインドウサッシュが見えるので、おそらくS3あたり、
1967~1968年頃のモデルではないかと推測しています。
低く構えた安定感のあるスタイリングは、さすがにロータスといったところ。
「レーシーな雰囲気」という意味では、エランが一枚上手でしょう。
スポーツカーとしての全体的なパッケージングに関しても、
やはりイギリスのメーカーに軍配が上がるような気がします。
しかし、存在感というかオーラみたいなものは、
日本のエスハチも決して劣ってはおらず、
両者互角ではないかと思っています。
もちろん動力性能的にはエランのほうが優れているはずですが、
「楽しさ、面白さ、気持ちよさ」といった面においては、
きっと優劣がつけられないのではないかと想像します。
そして、スポーツカーを選ぶ基準の中で、
「楽しさ、面白さ、気持ちよさ」は、重要な位置を占めますから、
どちらを選ぶかは、結局のところ、
純粋に好みと財布の問題となるような気がします(笑)。
いずれにせよ、40年前のスポーツカーを、
ショーの会場に乗りつけられる状態に維持されているわけですから、
レストアやメンテナンスには手間もお金もかかっているはずであり、
オーナーの深い愛情が伝わってきます。
僕も早くスポーツカーを買えるゆとりをつくりたいものです。