「 fun 」 と 「 interesting 」
funは、ただ無邪気に楽しいけれど、
interestingは、やや前のめりに見つめる知的関心とともに興味深い感情。
私にとって園芸は interesting なものです。
庭というものはすぐに出来上がるものではありません。
テーマを作り、理想の空間をデザインし、植物を選び、手間をかけ、
そこに時間という魔法が加わって成長し出来上がるものです。
上に向かって伸びていく植物もあれば、
地面をはうように伸びるものもあります。
空高く咲く花もあれば、下に枝垂れて咲く花もあります。
年に2度咲く花もあれば、1度しか咲かない花もあります。
ひとつの茎に1つしか花を付けないものもあれば、
複数の花を付けるものもあります。
それぞれの性質を知り、組み合わせを考え、配置を考え、
成長した時のベストな風景、完成図を頭に描きながら造り上げていきます。
当初の予想とズレてしまったら、切ったり、植え替えて調整します。
そのズレが意外とよく、想像していたものより良いものになることもあります。
色も、形も、性質も異なる植物を使い、心和む空間を作り上げるには
その状況に応じた試行錯誤が必要です。
スカスカだった空間にはやがて葉が茂り、たくさんの花が踊り、
言葉にならない喜びが訪れます。
成長の速度が違う者達が時間差で咲き続け、
計算され描かれた庭は、より長く楽しみを与え続けてくれます。
ブログは庭のようなもの、そこに描く記事は種のようなもの。
毎回、毎回、ひとつずつ種を置いていきます。
その種に時間という魔法をかけていきます。
その魔法が、発芽を促し、
いつか、たくさんの花を咲かせることを願っています。
皆さまには、小さな種に水をあげるお手伝いをいただければと思います。
水のやり過ぎは様々なバランスを崩し、根を腐らせます。
疲れた時、まったりしたい時、
ジョウロにほんの少しの水を入れて、
私の庭に遊びにいらしてください。
小さな小さなこの空間で interesting な何かが見つかるかもしれません。
時間という魔法が、ここに和みの空間を造り上げてくれますように。
そんな庭となれる日を夢見て…
これからも Small Garden「四谷のしっぽ」をよろしくお願いいたします。