四谷のしっぽ お散歩日和

あっちこっち街歩き、カフェめぐり、ガーデニング、
日々の出来事をつらつらと…
そんな感じのごった煮ブログ。

秋の香り

2017-09-26 15:34:00 | しっぽエッセイ
このブログが始まって以来、初めて長い夏休みをいただきました。

皆さまお元気でお過ごしでしょうか。meromero2

仕事が終わり外に出ると、鼻をくすぐる甘い香り。

キンモクセイ…eq

重たい夏の空気に漂うその香りはまだ淡く、遠く、
どこから香って来るのかすらよくわかりません。

季節の変わり目、微妙な空気感、夏と秋がせめぎ合っているようでした。

さて…

昨年末悪夢の梅酒事件から半年がたった6月初旬、
 down
http://angel.ap.teacup.com/yotsuyanoshippo/445.html

梅酒を作り直しました。



今回はローズマリーを入れたハーブ梅酒。

抗酸化作用のあるローズマリーは「若返りのハーブ」と呼ばれています。futaba
強い香りは脳の働きを活性化、
主成分シネオールが脳の血流量を増やし
記憶力、集中力を高めると言われています。

抜群の透明感を持つホワイトリカー、
3カ月が過ぎ、透明だった瓶の中は少しずつ琥珀色に変化しています。

やわらかい梅の香りを個性的なローズマリーの香りが引き立て相乗効果を発揮。
梅だけよりもメリハリの効いた立体的な香りがしています。

その香りはまだ若く、かたく、角があり、少々やんちゃな雰囲気。
10代の少年少女って感じでしょうか。

ここに時間というスパイスが加わり、まろやかで深みのある味、香りへと変化、
落ち着きのある大人の雰囲気に熟成していくのです。

街中に漂うキンモクセイも、時間とともに花の数を増やし、深みを増し、
喉がかわくような強く、甘い香りへ。

街がその香りをまとうのももうすぐです。kirakira2


過ごしやすい季節になりました。

暑い夏はお休みをいただいている健脚シリーズお散歩レポ

今年の後半戦が間もなくスタートします。

ローズマリーの香りで頭スッキリ、爽快、夏の疲れをやっつけて

2017年後半もアクティブに動いていきたいと思っています。

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ベトベト

2017-02-05 14:30:00 | しっぽエッセイ
事件は突然起こる。
何の前ぶれもない。nose7

年内の仕事も大掃除も終わり、年末を静かに過ごそうと思っていた私の頭に
ふと浮かんだ考え。

それが全ての始まり。

キッチンの流し台の下に梅酒が置いてある。
味付け海苔が入っていた大きなガラス瓶で作られたお酒は
作ってから3年~4年経っているため、色も味も深みが増し、
市販のものよりかなり美味しく仕上がっている。

作るのは好きだけれど、あまり自分で飲むことがないため、
出来上がるといつも母に送っていた。
今回もボトルに詰め替えて、母にあげよう。lightwink

「よいしょっ」とビンを取り出し、テーブルの上に置いた。

ここで予想外の展開。

置いた瞬間、ビンが真ん中で割れ、上下真っ二つに。
当然、梅酒は全て流れ落ちた。
テーブルも床も梅酒の海。

母さん、梅酒なくなりました…一滴も。hi

普通なら「あ゙ぁぁ~」と慌て、タオルを探し…となるのだけれど
その時の私はやけに冷静だった。

ビンを見つめ、足元に広がる甘い香り漂う海を見つめ、立ち尽くした。
中身がこぼれたことよりも、なぜビンが割れたのか、そこが不思議でならなかったから。

「何で…テーブルに置いただけなのに…」

考えてみれば耐熱用でもないのに作る度に熱湯消毒をされ、
味付け海苔ビン君には過度のストレスがかかっていたに違いない。

我慢し、耐え続け、限界が来れば、ほんの小さな衝撃でも壊れる。
人間と同じ。

作る楽しさに気を取られ、ビン君がかかえていたストレスに
目を向けることもしなかった。
彼の苦痛も知らず、自分の趣味を楽しんでいた。
申し訳なかった…

反省、すでに遅し。

足元に海広がる。

年内のガラスごみの収集は数日前に終わっている。
ごみは全て回収してもらい、きれいな状態で正月を迎えようというごみ出し計画も
年末をゆっくり過ごすため早めに終わらせた大掃除計画も一気に崩れた。

振り出しに戻る。hiあ~ん

梅酒には1キロの氷砂糖が入っている。
それだけの糖分が入っているということは、拭いても、拭いても、ベトベトは続くのだ。

気長にやるしかない。
あきらめよう。

それから3日間、一日に何度も何度も拭き続けた。

ベトベトさんっていう妖怪がいたな…

「ベトベト」と「ベタベタ」はどっちがより程度が上かな…
「ベットベト」の方がより上かもしれない。

どうでもいい様々なことが頭に浮かんでは消え、
気付くと大惨事の前よりも床がきれいになっていた。kirakira2bikkuri

そうなると、

「これはこれでよかったのかもしれない…」

とさえ思うようになった。

「部屋の乱れは心の乱れ」と言うけれど、掃除をすると心にも変化が起こるのだ。

それから数日、部屋中に爽やかな梅の香りが漂っていた。

年明けのごみ回収日まで、ビン君はキッチンの片隅にたたずみ、正月を過ごし、
やがて旅立って行った。

形ある物いつかは壊れる。

梅酒も年月も無駄にしてしまったけれど、悪気はなかった。
仕方ない。

「あの時、もっとこうすればよかった…」

いつまでも後悔したところで先には進まない。

ビンが割れた衝撃とともに、私の中で燻ぶっていた古い何かが
解き放たれたような気がする。

年の始め、もう一度、一から出直そう。

気持ちもビンも新調し、今度はシソ酒を作ってみた。
どんな味に出来上がるのか、初めてだからよく分からない。

分からないから、興味も、期待度も日に日に増し、

またひとつ自分のレパートリーが増えるかもしれない喜びに包まれている。futaba

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変化とともに

2016-09-13 15:34:00 | しっぽエッセイ
夜、外に出てみたら蚊取り線香の匂いが漂ってきました。
どこからか流れてくるその匂いに違和感を感じました。
そして気づいたのです。
空気の匂いが少しだけ変わってきたことに。

蒸し暑く体にまとわりつくような厚みのあったヤンチャな空気が
落ち着いた大人になってきたような肌触り。

夏の定番である蚊取り線香の匂い、秋に向かう落ち着いた空気の匂い
鼻から吸い込んだ時に完全に混ざり合わない違和感。

もうすぐ季節が変わるのです。kirakira2

この夏、ハーブの資格を取得しました。futaba
植物の資格をひとつ取りたいと思い、半年かけて勉強しました。

ハーブは4種類の気候型に分かれます。

①地中海沿岸タイプ
②ヨーロッパ中緯度地帯タイプ
③東南アジア&中米タイプ
④東アジア&日本タイプ

それぞれの原産国の気候に合わせた土壌、育て方が必要になります。

例えばラベンダー、ローズマリー、セージは地中海沿岸タイプ。

地中海沿岸は偏西風の影響で冬暖かく夏は涼しく乾燥しています。
風化した石灰岩の炭酸カルシウムが溶け出した弱アルカリ性に近い土壌です。
高温多湿の日本で育てるには土に石灰を混ぜて弱アルカリ性に近づけ、
雨に当てないように軒下に避難させるなど注意が必要です。

時代が流れても、植物は遺伝子を受け継ぎ、自分のルーツを記憶しているのでしょう。
人間ととてもよく似ています。

植物にとって土壌は大切な要素。kirakira2
植物の性質にあった土を与え、手間・時間を惜しまず、健康に育てることが大切。

学び得た知識を自らの土壌に加え、芽を出し、futaba
世のため人のためそして自分のためによい花が咲く日を夢見ています。kirakira2

学問の秋がやってきます。

お昼寝のつもりが起きたら夜が更けていました。
本気で寝てしまったようです。zzz
目がさえてしまった私は、キッチンのテーブルで本を読むことにしました。

辺りは寝静まり、聞こえてくるのは虫の声と時折鳴り出す冷蔵庫の音だけ。
私ひとり、静かで穏やかな夜です。 note

どれだけの時間が経ったのでしょう。
冷蔵庫が突然「ブォ~ン」と音をたてました。

はっと現実の世界に戻された私は窓を見ました。hi
空の向こうが少し明るみ始めています。

朝の気配…

新しい一日が始まります。kirakira2

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白ゆりの思い出

2016-07-17 22:36:00 | しっぽエッセイ
あわただしい朝、
風を切って歩く私の鼻が甘い香りをとらえました。nose7

ふと見ると、道の脇に白いゆりが数本。
風にのってまとわりついてくる甘く、エレガントなその香りは

「ちょっとお待ちなさいな」

と呼び止めているようで、時間ばかり気にする私の足を
少しだけゆっくりにしてくれました。

そして、遠い昔の懐かしい出来事を思い出す余裕を与えてくれました。

アメリカでホームステイをしていた頃、大学の先生の家でお世話になっていました。
お母さんは静かな雰囲気で、優しい人。
以前受けた呼吸器の手術によりあまり外出ができないため
いつもソファーに座りパソコンで書き物をしていました。

私はとても不思議に思っていました。
体調が悪いこともあるのに、なぜホームステイを受けてくれたのだろう。
他人を家に入れるなんて面倒なことをなぜ引き受けてくれたのだろうと。

日に日に暖かくなり、春の花が開き始めたある朝、tulip
何気なくカレンダーに目をやると、その日お母さんの誕生日だと書いてありました。

こりゃいかん、プレゼントを買いにいかねば。hi gift

たいていの物が揃っている大型スーパーへ行き、
何がいいかしらと歩きまわっていると run
花売り場に白いゆりの鉢植えがたくさん並んでいるのが目に入りました。

小ぶりで、白く清楚な雰囲気。kirakira2
ひと目で気に入った私は鉢にブルーのリボンを巻き、
小脇に抱え家に帰りました。

お母さんはいつものようにソファーに座り、書き物をしていました。

「お誕生日おめでとう 」

私が誕生日だと気付いていたことに驚いたのでしょう。
思いがけず渡されたプレゼントにお母さんはとても喜んでくれて

「ハグしてもいい?」

と言って、私をぎゅっと抱きしめてくれました。
体に問題を抱えている人とは思えないくらい、それはそれは力強いハグでした。

触れ合った体から伝わる温かさと
子どもがお母さんに身をゆだねるような信頼感。
滞在期間も残り3カ月となり、少し疲れを感じていた私は
何とも言えない安心感に陥っていました。
不思議なことに今でもその感触がはっきりと記憶に残っています。

「これ、イースターリリーって言うのよ」

お母さんがそう教えてくれました。

イースターは春に行われるキリストの復活を記念する復活祭。
イースターリリーは祭事に飾る白いゆり。

白ゆりは「純潔」「貞操」のシンボルとされ、聖母マリアを象徴する花です。
キリスト教の宗教画にはヨーロッパに自生する「マドンナ・リリー」と呼ばれるゆりが
描かれてきましたが、19世紀に日本の「テッポウユリ」が紹介され人気となり
祭事に導入されるようになったのだそうです。

それでか、お店に白ゆりがたくさん並んでいたのは…
清楚な雰囲気が日本ぽかった…
わからないことだらけの海外生活では後から合点がいくことが多いものなのです。

お母さんはキッチンの窓辺に飾ってくれました。
時折差し込む日差しが、ゆりをさらに白く輝かせていました。

おおらかな家族だったため家の中はいつもごちゃごちゃ散らかっていたけれど
そのおおらかさによって私はあの家族と出会い、お世話になることができたのでしょう。
問題があるから、大変だからできないんだと決めつけず、
ゆったり、広い心で、おおらかに受け入れる、そう教えられました。

あれから15年が過ぎました。
白ゆりを目にする度、あの日のお母さんのハグを思い出します。
他愛のない日常のやり取り。
何てことはない出来事。

長く心に残る出来事は特別なことではなく
日常の中で起こるほんの些細なことなのかもしれません。

お母さんが今日も元気で、幸せでいてくれればいいのだけれど。cloverkirakira2

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7周年のご挨拶

2014-04-20 15:19:00 | しっぽエッセイ
「面白い」には、ざっくり大きく分けて2つあります。

fun 」 と 「 interesting

funは、ただ無邪気に楽しいけれど、

interestingは、やや前のめりに見つめる知的関心とともに興味深い感情。

私にとって園芸は interesting なものです。

庭というものはすぐに出来上がるものではありません。

テーマを作り、理想の空間をデザインし、植物を選び、手間をかけ、
そこに時間という魔法が加わって成長し出来上がるものです。

上に向かって伸びていく植物もあれば、
地面をはうように伸びるものもあります。

空高く咲く花もあれば、下に枝垂れて咲く花もあります。

年に2度咲く花もあれば、1度しか咲かない花もあります。

ひとつの茎に1つしか花を付けないものもあれば、
複数の花を付けるものもあります。

それぞれの性質を知り、組み合わせを考え、配置を考え、
成長した時のベストな風景、完成図を頭に描きながら造り上げていきます。

当初の予想とズレてしまったら、切ったり、植え替えて調整します。

そのズレが意外とよく、想像していたものより良いものになることもあります。

色も、形も、性質も異なる植物を使い、心和む空間を作り上げるには
その状況に応じた試行錯誤が必要です。

スカスカだった空間にはやがて葉が茂り、たくさんの花が踊り、
言葉にならない喜びが訪れます。

成長の速度が違う者達が時間差で咲き続け、
計算され描かれた庭は、より長く楽しみを与え続けてくれます。


ブログは庭のようなもの、そこに描く記事は種のようなもの。

毎回、毎回、ひとつずつ種を置いていきます。

その種に時間という魔法をかけていきます。

その魔法が、発芽を促し、futaba



いつか、たくさんの花を咲かせることを願っています。

皆さまには、小さな種に水をあげるお手伝いをいただければと思います。

水のやり過ぎは様々なバランスを崩し、根を腐らせます。

疲れた時、まったりしたい時、

ジョウロにほんの少しの水を入れて、ase

私の庭に遊びにいらしてください。

小さな小さなこの空間で interesting な何かが見つかるかもしれません。

時間という魔法が、ここに和みの空間を造り上げてくれますように。

そんな庭となれる日を夢見て…kirakira

これからも Small Garden「四谷のしっぽ」をよろしくお願いいたします。

コメント (2)
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