四谷のしっぽ お散歩日和

あっちこっち街歩き、カフェめぐり、ガーデニング、
日々の出来事をつらつらと…
そんな感じのごった煮ブログ。

帝劇クロージング公演 ミュージカル「レ・ミゼラブル」に行ってきました

2025-01-06 14:06:42 | ミュージカル/演劇

2025年、年が明けて間もなく

帝劇へミュージカル「レ・ミゼラブル」を観に行ってきました。

心震える素晴らしい作品です。

帰りに日比谷シャンテの「レ・ミゼラブル」パネル展をみて、

ご飯を食べ、イルミネーションを楽しんできました。

大人気のミュージカルなので毎回あっという間にチケットが完売になりますが

帝国劇場が建て替えとなり、クロージング公演ということもあり

今回、チケットがぜんぜん取れなくて大変でした。

先行抽選も全て落選

会員先行販売も一般販売もアクセス集中でぜんぜんつながらず、

一日中パソコンの前でがんばり、つながったと思ったら完売

今回はあきらめよう…と思っていたら

職場の健保の回覧に観劇抽選の案内が載っていて、

申し込んだらあっさり 当選

しかも健保が一部負担してくれるので、

通常より3千円安く購入できました。

パソコンの前で一日中がんばったあれは何だったんだろう…

それがあってのこの結果。

困った時の団体観劇。

ありがとう健保…ということで

ゴロゴロしていた寝正月が終わり、ようやくコタツから脱皮。

久しぶりに帝劇へ行ってきました。

劇場は日常を忘れさせてくれる場所。

作品をとおして大切なことに気づかせてくれる場所。

芸術の素晴らしさを実感する場所。

全2幕、休憩時間(20分)を含めて

約3時間の公演です。

入口からテンションあがります。

一幕最後の歌「ワンデイモア」のシーンですね。

躍動感があり、心震える歌です。

ジャン・バルジャン : 飯田  洋輔

ジャベール     : 石井  一彰

ファンテーヌ    : 昆  夏美

エポニーヌ     : 清水  美依紗

マリウス      : 三浦  宏規

コゼット      : 水江  萌々子

テナルディエ    : 駒田  一

マダム・テナルディエ: 森  公美子

アンジョルラス   : 小林  唯

 

出演者全員、歌もお芝居も素晴らしかったです。

昆 夏美さん、清水美依紗さんの回でこの日を候補に入れていたので

思いがけず希望通りの回が取れてびっくり。

1階の後ろから2列目の席でしたが見やすく、

私が好きな通路側の席で、パーフェクトでした。

(健保に感謝これからも保険料払います…)

若い頃から何度も通った帝国劇場。

素晴らしい作品がたくさん上演され、

感動が日々の力を与えてくれた劇場。

さみしさはありますが、最後にしっかり目に焼き付けてきました。

再開発などで誕生する新しい劇場はきれいで機能的ではありますが

無機質な感じがします。

帝劇や日生劇場は昔の空気感を漂わせていて

行く度にやさしく迎え、やわらかく包んでくれます。

呼吸をしていて、生きている劇場という感じがするんです。

このミュージカルは一幕のはじめから感動。

客席が徐々に暗くなり、会場を静寂が包んだ時にオーケストラが最初に出す音が

重厚感に満ちていて ズシンッ とくるんです。

その音を暗闇の中で待つ時間が何とも言えずたまらなくいい…

終始薄暗い舞台上を照明がとても美しく、力強く照らし、

物語を効果的に演出しています。

 

「レ・ミゼラブル」のタイトルのとおり

皆が大変な境遇、人生、絶望、理不尽な葛藤を抱え生きています。

その中にあるやさしさと愛に毎回涙がこぼれ、

最後は周りからも鼻をすする音が聞こえていました。

岩谷時子さんの日本語訳も素晴らしいので

観たことのない方はいつかぜひ観て欲しいなと思います。

劇場を出ると夕焼けが。

物語の人物たちに思いをはせながら、また泣きそうになりました。

帰りに日比谷シャンテ3階のパネル展(無料)に行ってみました。

劇場で販売している公演グッズの販売もしています。

(一部販売していないグッズ(欠品?)もありました)

日比谷シャンテは劇場街にあるので、

演劇のイベントや、公演グッズ・演劇本の販売をしてくれるのが嬉しい…

何度も観に行った「レ・ミゼラブル」

ニューヨークで観た時に買ってきた舞台のサントラCDを聴いて

歌いながら家事をしたりしています。

写真を見るだけでも感動がよみがえり涙が出そう。

長く続いている素晴らしい舞台、素晴らしい作品です。

感動して、泣いて、手が痛いほど拍手して、

感情移入が忙し過ぎてお腹がペコペコ。

日比谷シャンテ2階 ゆとりの空間

(料理家 栗原はるみさんのオリジナルレシピが楽しめるカフェレストラン)

でご飯を食べていくことにしました。

テーブル席がいっぱいだったのでカウンター席でした。

この店はひとりでも入りやすく、

外のイルミネーションを上から見渡せ、ゆっくりできるのが好き。

ランチョンマットに栗原はるみさんのお料理レシピが書いてありました。

作ってみようかと思い、いただいて帰りました。

栗原さんちの晩御飯

揚げ鶏のねぎソース

衣もサクッとしていて、タレも美味しかったです。

栗原さんちのごまあえ (ブロッコリーとカリフラワー)

ミックスビーンズのサラダ

ツナがあえてあります。

お隣の東京ミッドタウン日比谷の前にある階段。

いろんな色に変化します。

チカチカしていて足を踏み外しそうなくらい眩しい…

丸の内 シャンパンゴールドのイルミネーション。

東京駅まで続きます。

私はここのイルミネーションが一番品のいい色だと思っています。

ガードをくぐって有楽町駅方面へ。

お正月休みも残り1日となり、翌日ゆっくりお茶しようと思い

ルミネ有楽町の ハーブス でケーキを買いました。

ミルクレープ

大きくてフルーツとクリームたっぷり。

何度食べても美味しい。

ホワイトチョコのケーキ

お酒が入っていて、シンプルな味を引き立てています。

有楽町駅前、交通会館のイルミネーションがきれいでした。

色が変化します。

帝国劇場は地上29階建ての複合ビルになるそうです。

新しい劇場になっても素晴らしい作品に出会えることを

楽しみにしています。

たくさんの感動と生きる力を与えてくれた帝国劇場をイメージして

数年前に書いたものです。

お時間がありましたらお読みいただけると嬉しいです。

帝国劇場に感謝を込めて… 

 

           劇場タイムマシン

 客席の扉が閉まる。オーケストラピットのチューニング音がすっと消える。
徐々に照明が落ち、劇場内が静まり返る。
静寂を破りオーケストラが最初の音を出すまで約十秒。
期待が高まり舞台に吸い込まれそうになる沈黙の十秒は何度体験してもたまらなくいい。 

 国境を越え、時代をさかのぼり、ファンタジーの世界へも行けてしまう劇場は
時空を旅する乗り物。
観客は現実を離れ、問題だらけの他人の人生を見つめ、自分を重ねる。
まさに世阿弥の能楽論「離見の見」。
(自分の身体から離れ、あらゆる方向から客観的に自らを見つめること)
自分の偏りも見えてくる。
ざわつく心に歌、音楽の躍動感がふわっと保護のベールをかけ、プラスの感情に引き上げてくれる。
見えない光の粒が舞っている。

 数時間の旅を終え、再び扉が開く。
観客は押し出されるように劇場を後にし、それぞれの生活に戻ってゆく。
その後ろ姿には明日へと続く小さな光が灯っているように見える。

 

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メリー・ポピンズ シネマ・コンサートに行ってきました

2023-06-11 11:27:39 | ミュージカル/演劇

有楽町の東京国際フォーラムで行われた

メリー・ポピンズ シネマ・コンサート

に行ってきました。

何度みたかわからない大好きな、大好きな映画「メリー・ポピンズ」

これはぜったい行かねばということで

数週間前にあわててチケットを取りました。

フリーマーケットが行われていて人がいっぱい。

ホールAは5,012席、大きいホール。

私が座った1階席は満席でした。

子どもから高齢者までたくさんの方が来ていました。

第1部が終わり休憩時間、女子トイレの列が長い、長い。

「後方の方は第2部までに間に合わないかもしれません」

と誘導スタッフが言っていて「おいおい…」とざわついていたら

2階ロビーのトイレは列が短くなっているとアナウンスがあったので

後方の人たちで移動したら、列が短く数分で入れました。

客席階のトイレではなく2階ロビーに降りた方が安心かもしれません。

休憩中のトイレ事情は大事です。

ロビーから東京駅方面。

上から見るとこんな感じなんだ…緑いっぱい。

さて、シネマ・コンサートとは…

ステージの大スクリーンで映画全編が上映されます。

スクリーンの前にはオーケストラ(東京フィルハーモニー交響楽団)。

セリフ、歌声、効果音は映画の音源がそのまま流れ、

劇中の音楽は全て映画のお芝居のタイミングに合わせて

オーケストラが生で演奏します。

映画、ミュージカルって沈黙の中で音楽が流れ出したり、

セリフの途中で音楽が始まり、その流れて歌に入っていったりしますが

曲の始まるタイミングも、歌い出しのタイミングともズレることなく

スクリーンだけみているとオーケストラがいることを忘れてしまうくらい

映画とまったく同じでした。

曲が始まるタイミングが近づくと指揮者が合図を出し、その後ろ姿と

映画の映像と交互に観ているのが興味深かったです。

すごい集中力だな、プロだな…

よくよく考えてみると、ミュージカルも舞台上のお芝居に合わせて

オーケストラが演奏するのだから技術的には同じなのでしょうか。

素晴らしく、楽しい3時間でした。

こんなかたちで「メリー・ポピンズ」を観る日がくるとは…

メリーと一緒ならば~ 楽しい日曜日 

        A jolly, jolly holiday with you

歌いながら帰る…私だけじゃないはず。

シネマ・コンサートはいろんな映画で行われているようですので

お気に入りの映画があったらぜひ。

おすすめです。

日曜日の夜、有楽町駅前は閑散としていました。

翌日仕事がお休みだったのでクリスピークリームドーナツで

余韻に浸っていくことに。

映画「メリー・ポピンズ」の撮影で使われたメリーゴーラウンド。

メリー、バート、子どもたちが絵の中に入り競馬に参加するシーンで

メリー・ポピンズ役のジュリー・アンドリュースが実際に乗っていたお馬さんです。

20年くらい前、フロリダのディズニーワールドに展示されていました。

実物を前に感動したのを覚えています。

 

「メリー・ポピンズ」に「2ペンスを鳩に」という歌があります。

厳格なお父さんの勤める銀行に子どもたちが行くことになった時

メリーが子どもたちに

「お父様にも見えていないものがあるのよ」

と言って、銀行に行く途中の大聖堂の階段に座るおばあさんの話を歌います。

「粗末な巣で帰りを待っているヒナたちのためにあなたの愛を分け与えてください」

そう言って鳩のえさを2ペンスで売っていると。

メリーはそれ以上のことは何も言いません。

 

お父さんと銀行の重役たちはそんなものに2ペンスを使うより

銀行に預けて増やす方が賢明だと言います。

このシーンをみる度、どちらの使い方も間違っていないと思うんです。

でもメリーは

「自分の足元だけを見るのではなく、

 視野を広げて、周りをよく見て、耳を傾け、どうするべきか自分で考えなさい。

 自分のためだけではなく誰かのために心を寄せ、愛する大切さに気づきなさい。」

と子どもたちに言っているのではないかと。

 

子どもたちの2ペンスが原因で銀行で大騒動が起こり

夜、お父さんは重役たちに呼び出されます。

「子供たちが泣いても涙を拭いてあげる暇もない。

 子どもたちが笑いかけてもそれに答えることもしない。

 いつでも仕事しか頭にない。

 子どもたちはあっという間に大人になって去っていく。

 その時に愛を与えようとしても遅いんだよ。」

煙突掃除のバートにそう声をかけられ、お父さんは銀行へ向かいます。

お父さんの気持ちを表すかのように「2ペンスを鳩に」の曲が重々しく流れます。

 

クビになることがわかっているお父さんは

いつもは気にもかけない大聖堂の階段を見つめます。

仕事も家庭も自分が正しいと信じてやってきた、

子どもたちの話を聞こうともしなかった、

誰もいない大聖堂の階段がからっぽになってしまった心のようにも見え

ひとつではないお父さんの思いが胸をしめつけます。

 

若い頃はメリーやバートばかり見ていて

お父さんに感情移入することはなかったなと最近気づきました。

大人もいろんなことに気づかされる作品です。

 

家族の修復を見届けメリーは空へと帰っていきます。

家族で公園へ出かける姿を窓越しに見つめるメリー。

安堵感と別れのさみしさが混ざった表情は何度みてもすごくいい…

チャーミングで、品がよくて、背筋が伸びて立ち姿と所作が美しい

ジュリー・アンドリュースのメリーが大好き。

 

メリーが子どもたちをせかす時に

「Spit spot(さっさとやりなさい)」

と言います。

日本語吹き替えでは「タッタカタッ」

昨年観に行ったミュージカルでは「サッサッサッ」

梅雨入りしてフットワークが重い自分にも言って過ごしています。

湿気が重たいけれど タッタカタッ といきましょう。

Spit spot

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ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」を観てきました!

2023-06-03 14:56:39 | ミュージカル/演劇

仕事帰りに

ミュージカル「ファインディング・ネバーランド」

を観てきました。

劇作家ジェームス・バリがある家族と出会い、その交流の中で

「ピーターパン」のお話を書き、上演するまでを描いた実話。

 

大きな犬も交代で出演します。(この日はセントバーナードでした)

私は濱田めぐみさんの歌が聴きたくてチケットを取ったのですが、

育三郎人気はものすごく、

カーテンコールで投げキッスをすると客席がどっと沸く…

彼の舞台は初めて観ましたが、歌も素晴らしいし、

生の舞台で起こるハプニングにもすぐに対応して笑いに変えるし、

実力と人気の高さは納得しました。

新宿駅のお隣、初台駅直結の新国立劇場 中劇場。

階段や上のバルコニーにオペラの衣装が展示されていて

入口から楽しめます。

今回は1階席の後方でしたが客席が扇形になっていて

とても観やすい劇場でした。

ネバーランドの模型。

フック船長、人魚、インディアン…人形がかわいい。

うまく撮れませんでしたが、フック船長。

眺めていたら…おやっ?と気づく。

「ピーターパン」のお話ってどんなでしたっけ?

ざっくりとしか思い出せないまま 開演 のお時間でございます。 

舞台は1903年 イギリス ロンドン。

スランプに陥っていた劇作家ジェームズ・バリ(山崎育三郎)。

劇場主に新しい作品を書くようせかされるけれど似たような作品しか書けずにいます。

そんな時、妻メアリーと愛犬と訪れたケンジントン公園で未亡人シルヴィア(濱田めぐみ)と

彼女の4人の子どもたち(ジョージ・ジャック・ピーター・マイケル)と出会います。

子どもたちとの遊びを通し、「演劇」も「遊び」も同じ「PLAY」なのだと気づき

イマジネーションでファンタジー作品を執筆することに。

(ピーターパンの登場人物に子どもたちの名前をつけます)

それを上演し病院や施設の子どもたちを招待することを伝えますが劇場主は大反対。

なぜなら当時イギリスの演劇は上流階級の大人のものだったから。

皆の理解を得ながら稽古が進んでいく中、シルヴィアが病に…

楽しいことも、うまくいかないことも、悲しい別れも、

バリ、シルヴィア、子どもたちが互いの思いを打ち明けながら、

共有しながら、人生の中で起こる様々な試練を乗り越えながら

笑いあり、涙あり、お話は進んでいきます。

 

立っているバリとシルヴィアの影が動きだしたり、

天井にたくさんの星が出たり、

照明の演出がとてもよかったです。

ピーターパンにいざなわれシルヴィアが旅立つシーンは

眩しいくらいの照明で舞台とは思えない別世界のよう。

子どもたちを残していく心残りの中に穏やかささえ感じる

不思議な瞬間でした。

大人にならない、年をとらない、不老不死のネバーランドへと

旅立ったのでしょうね。

 

ジェームズ・バリとシルヴィアの人生を知りたくて

買うつもりのなかったプログラムを購入しました。

その後、バリは子どもたちの後見人として愛情を注ぎ、養育し、

慈善活動にも力を注いだのだそう。

彼の生い立ちも含めピーターパンのお話、ネバーランドに

つながっていくことがとても興味深く

プログラムを一気に読んでしまいました。

 

人生には誰にでも光と影があります。

光があるから影ができ、

影があるということはどこかに光がある…

光と影は正反対のものではなく共存しているもの。

その光は他者とのつながりがもたらしてくれ、

その光に気づく自分でいられるかどうか。

それをおしえてくれる作品でした。

 

大切なことを他者の人生を通して再認識させてくれる劇場は

素晴らしい場所です。

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ミュージカル「バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊」観劇

2023-02-12 11:57:15 | ミュージカル/演劇

仕事帰りに日生劇場へ。

ミュージカル「バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊」を観てきました。

舞台動画はこちら

エジプトの警察音楽隊が演奏を依頼されイスラエルへ。

ところがバスを間違えて似た名前のまったく違う町で迷子に。

ホテルもない町で地元住民にお世話になる一晩の物語。

制作発表の動画で演出家の方が

「この作品はこれといって何も起こらないです」

と話していました。

何も起こらないでどうやって作品にするのか気になって観に行ってみたら

ほんとうに特にこれといってドラマチックなことは何も起こらない…

迫力のあるダンスシーンがあるわけでもない…

音楽隊が町を去ると、何事もなかったように物語が終わっていく…

でも一晩の会話の中で音楽隊も町の人たちにも心の変化があったんだなと思う

今まで出会ったことのない不思議な感じのミュージカルでした。

エジプトとイスラエルは隣国同士ですが

1948年にイスラエルが独立宣言をして以来

約30年戦争状態にありました。

政治的には平和条約が結ばれたけれど手を取り合うほどの間ではなく

両国の市民同士が交流することもあまりないそうです。

私たちがあまり知る機会がない歴史的背景を簡単に説明した

印刷物が劇場で配布されています。

開演前に目を通すと音楽隊に対する町の人たちの反応がより理解できると。

1時間45分、休憩なし。

舞台はイスラエルのベイト・ハティクヴァという辺境の地。

住民たちは変化が訪れることをただ待っているだけの毎日を送っています。

バスを間違え違う町に来てしまったが最終バスも行ってしまい、ホテルもない。

迷い込んだ音楽隊は町の人たちに一晩お世話になることに。

言葉、生活習慣、文化、宗教が違う者同士の異文化交流が描かれます。

それはドラマチックなものではありません。

好きな音楽や映画が同じだとか、恋愛のアドバイスをしてくれたとか、

泣いている子どもを演奏であやしてくれたとか、

身の上話をしながらお互いを知り、理解し、距離を縮めていく

さりげない一晩のお話。

音楽隊を演じるのはプロの演奏者。

劇中でもカーテンコールでも素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

あまり聴き慣れない中東のノスタルジックな音階がいつもの感覚を少し乱し

見知らぬ街に迷い込んだ音楽隊の一員になったような気さえしてきました。

 

観劇後、いつもなら「観たぞぉ~」と気持ちが高揚するけれど

今回は冷静で平らな不思議な感覚。

帰りの電車でふと思いました。

相手を好きになるのにドラマチックな出来事なんて必要ないのかも。

好きなものが同じだった、お話の仕方が心地よかった、

何となく気が合った…とか、きっとそんな些細なこと。

なのにどうして世界はこんなに混乱しているのか今もよくわからないまま。

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ミュージカル「スクルージ」を観てきました(日生劇場)

2022-12-25 15:19:11 | ミュージカル/演劇

年内のお仕事が落ち着いたので、

お休みを取って日生劇場に行ってきました。

市村正親さん主演 ミュージカル「スクルージ」

【舞台動画はこちら】

イギリスの作家チャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』のお話。

クリスマスの名作。

平日昼間のミュージカル鑑賞、贅沢な時間。

今回はGC席(グランドサークル席 ※中2階にある座席)を取りました。

1階席と2階席の間にある席で、舞台より少し高いくらい。

俳優さんたちと同じくらいの目線の高さで見やすい席です。

2列しかないので圧迫感がなく居心地もよかったです。

  

ロンドンで金貸しを営むスクルージ、ケチで街の人たちから嫌われています。

「クリスマスなんてくだらない」とクリスマスの夜も借金の取り立てをし、

献金を拒み、甥のクリスマスパーティーの誘いも断ります。

クリスマスの夜、スクルージの家に3人の精霊が順番にやって来ます。

1人目は過去、2人目は現在、3人目は未来をスクルージに見せていきます。

過去では家族との楽しかったクリスマスパーティーを思い出し、

最愛の女性との悲しい別れを見つめ後悔の念にかられ、

本人も忘れていた思い出したくない様々な光景も見つめていきます。

現在では身近にいる人たちの抱えている事情を知り、

未来では誰かの死を喜んでいる街の人たちを見てそれが自分だと知ります。

現在に戻ってきたスクルージ、あれは夢だったのか…

でも今のまま生き続ければ、あの悲しい未来が待っている…

心を入れ替え、寄付をし、街の人たちにもプレゼントをし

過去は捨て、残りの人生を精一杯生きるのだと歌います。

 

シンプルなお話ですが人間の傲慢さ、愚かさ、弱さ、孤独が見えるようで

涙が出てしまいました。

 

市村正親さん、70代でいらっしゃるけれど声もしっかりしていて

ワイヤーで宙吊りになっても動きが若々しくて素晴らしかったです。

愛嬌のある憎めないスクルージでした。

天井から何かが降ってくるようなクリスマスキャロルの歌声に心が洗われました。

大人も子どもも楽しめる作品です。

日生劇場の向かいにある日比谷公園で開催されている

クリスマスマーケットに行ってみたら…

当日券50分待ち。

「寒い~」ということでくじけて帰ることに。

クリスマスピラミッド、外から写真だけ。

日比谷のイルミネーション。

色が変わります。

東京ミッドタウン日比谷

スノーマンの中で今年もサンタさんは大忙し。

年内で一度閉店、建て替えが決まっている

四谷の オテル・ドゥ・ミクニ本店

シンプルですが夜ライトが付くと輝いてとってもきれい。

今年見たクリスマスツリーで一番美しいです。

 

スクルージのように誰にでも人生で後悔していることがひとつはあると思います。

今さら…と思って今のまま生きるのか、

自らの過去を受け入れ、考え方を変え、限られた残りの人生を有意義なものにするのか、

クリスマスツリーを見つめていると過去、現在、未来、

不思議といろんな思いがめぐってきます。

 

皆さんにも穏やかな聖夜がやって来ますように…

メリークリスマス 

 

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