我が家の愛犬ミルクですが、9月の誕生日を迎えると15歳になります。数か月前までは
しっかりとした足取りで歩いていましたが、ここ数か月は後ろ足が自由に動かなくなり大好
きな散歩に出かけても途中で止まってしまう状態です。また、食欲がなくなったり、下痢を
したりするたびに獣医のところに行き、注射や薬を貰いながらの生活です。
また、心臓の動きも弱くなってきており、時々全身が痙攣するなど脳も弱ってきていると
獣医から宣告されています。出来るだけのことをして浄土に送ってあげたいと思っています。
不思議なもので愛犬ミルクの老いと同じように父親も老いのために介護が必要となってお
り、土日の休みは必ず実家に行き身の周りの世話をする日々が続いています。認知症の度合
いもかなり進んでいますが、息子が来たという認識があるので助かっています。そのうち息
子であることも分からなくなる時が来ると覚悟しています。
愛犬ミルクとは、言葉が通じないので従来から行っていることは、目を見ながらの意思の
疎通を通じてどのような状態なのかを窺っています。もともとミルクは我慢強い犬なので、
どんなに痛くともまた苦しくても辛いという仕草をめったに見せない犬なので、余計にミル
クの目を見ながら状況を察知し、対応する日々が続いています。
今は、ほとんど横になって寝ています。今も私の机の横で、久しぶりに青空となり爽やか
な風を受けながらすやすやと寝ています。平和で幸せな時間が流れています。このままこの
状態が続くといいのですが、この世は無常の世界なのでそのようにはなりません。だれもが
いつかは別れる時が来るのです。
愛犬ミルクと同じように私も還暦を過ぎ、老いが本格化してきています。今までと違うこ
とが身の回りでたくさん起きだしています。これらと戦うのではなく、それらをありのまま
に受け入れて進むのが重要なことだと思っています。
愛犬ミルクと巡り合い14年以上の日々を一緒に過ごしてきましたが、ミルクから学んだ
ことは自分以外に対する優しさです。仮に愛犬ミルクが我が家に来なければ、自分の人生は
大きく変わっていたと正直に思えます。優しさの少ない人間になっていたのではないかと思
います。
これまでにも苦しかったことや哀しかったこと悔しかったことなど様々な出来事がありま
したが、これらが起こるたびに私は愛犬ミルクに話しながらこれまで生きてきました。いつ
もミルクはきょとんとした目で私を見ながら話を聞いているようですが、最後には優しい目
に変わり、何とかなるから大丈夫だよと目が言っているように見えました。この愛犬ミルク
の優しい目に私は何度も救われました。本当に感謝しています。
最近、夜の10時過ぎに愛犬ミルクと散歩に出かけますが、夜空の星を一緒に見ながらミ
ルクも私も命が終わると宇宙空間の星間物質に戻るのだよと、いつも愛犬ミルクに言い聞か
せています。
これからも愛犬ミルクの定められた命の期間、精一杯面倒を見ながら最期に黄泉の世界へ
送り出してあげようと思っています。愛犬ミルクには、我慢せずに我儘言っていいから最期
まで与えられた命を全うして欲しいと、優しさを教えてくれた愛犬ミルクに感謝をこめて言
っている今日この頃です。 合掌