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インド亜大陸旅行記(中部、北部、南部)中部編①

2017-08-14 14:27:51 | 海外旅行

 中部インド旅行記(2000.12.10-15) 

これは2000年当時書いた旅行記だから現在は何処も大きく変化していると思う。又写真はフィルム写真をスキャンしたもので不鮮明だと言う点お許しを。

今回の旅はほんとに短期間で、訪問先もほんの一部分。とても「インドへ行った」なんて言える代物ではありません。実際に街を一人で歩くことも殆ど無く、大部分がバスの車窓から垣間見ただけですから多分に誤りがあるかも判りませんがオユルシオ。 

よくインドに関して「悠久の大地」とか「どうしようもない貧困とカースト制度」、「ガンジスの沐浴と散灰」、「とてつもない群集、雲助タクシ-、狡賢い商人とバクシ-シ(物乞いの類)の洪水」等を想像する方が結構多いようですが、ソレは未だに異国人が日本を「富士山 & 芸者」で位置付けるのと似て非なるものと言うのが実感です。 

実際都市部(ニューデリーやムンバイ)は、かつてイギリス植民地であったという事は紛れもない事実だけれど、立派に計画された有数の大都市だったし、人々の服装や住居も他国に比べてそんなに遜色のあるものではないという印象でした。結構新品のバイクや自転車が見られたしタクシーや乗用車も綺麗に磨かれてアメリカやヨーロッパよりはるかにまし。 

事実貧困は存在するし、どうしようもないスラムも散見されました。でもアレ究極の省エネですね。誰かがゴミを路傍に捨てる。あっと言う間にまず使えそうなもの、燃えるものは人間が持ち去る。後は牛、猿、カラス、すずめ、羊、犬等が群がって、あっと言う間に食べる。残るのはビニール類のキレッパシだけ。化学製品なんて無かった時代ではコレデ綺麗さっぱり自然回帰が出来たわけだろう。 

一級国道に該当するような道路に、牛馬はおろか、サル、羊、山羊、水牛、ラクダ、象等がトラック、バス、バイク、自転車と不思議な調和を保って溢れ、僅か五日間の滞在でしたが交通事故は一度も見ませんでした。 

前置きはさておき、行って来ました初めてのインド。でも参加者が少ない時期で団体旅行が中々成立しない。特にインド方面なんかは。何しろ12月初旬は安い。という事で暮れの忙しい時期、12月10日出発、暇なジジババ主体のご一行は19名でした。 

特に男性は一人を除いてどう見ても退職者。女性は20代一組、40代一組を除いて全部が50才以上と見た。今回の収穫はツアコンサン。30代前半と思われるが、言うべきことは言うが、必要以上はでしゃばらず、控えめなのに、テキパキ。清潔感溢れる女性で、今まで行ったツアーの中では最高の女性でした。 

三宮から乗った空港バス。最前列で何やらはしゃぐ老人二人。結局この方たちも同行者でした。集合の時嫌な予感がした二人の内の一人でもあった。あと一人は一人参加のオバサン。のっけから金を払わずに「添乗員さん、目が悪いので小さい字読めないから出入国カード書いてくださる?」と甘え声。ツアコンきっぱりと「有料の方に悪いから出来ません!」と拒否。 

僕の隣席はババさん寸前のオバサン。でも旅慣れているようだし、同行の男性の世話も焼くので忙しく、余り関わりにもならず、旅経験自慢、孫自慢もしないので助かる。でも話を聞くうち彼らは旅トモ、山トモで実夫婦ではない模様。もう一人の一人参加の75歳ジーサマは「阪大工学部出身」と聞かれもしないのに宣伝。でもそれで、何で「スーパー」やってたのかな? 

件の一人参加のオバサンは早速「窓際に変えて」とおねだり。ツアコンきっぱり拒否。以後コレを数回繰り返す。アキレタ。なんだかんだで約7時間余のフライトで最初の寄港地ムンバイ(旧ボンベイ)へ全日空機は無事到着。 

インドはパキスタンと敵対関係にあるからとて、国内線乗り継ぎのセキュリティチェックの厳しいこと。でもソレは回数(5回)だけで、中身は適当。マア人手は十分ある国だからかな?それとも立派なワークシェアリングなのか?なんだかんだで遅れて、10日の目的地デリー空港に着いたのは深夜0時。 

所がご一行中2組の荷物がひび割れて、ソノ補償交渉に手間取り、空港を離れたのが1時。結局ホテルには深夜2時頃着いた。アアシンド。そこでツアコン実力発揮。約10分足らずでチェックインを終わり。鍵を手早く渡す。拍手! 

ホテルは30階建てくらいのインターコンチネンタル。部屋は立派で、ミネラル2本と、果物のサービスつき。僕は17階だったけど、犬や車、汽車の音が何故だか直ぐ傍に聞こえ眠りつけず、ウトウトしたら直ぐに6時のモーニングコール。もうサイアク。 

何しろ今回のインド旅行は事前に色々ご注意がありすぎた。で皆さん少々センシティーブ。例えば歯磨きや、うがい、洗顔までミネラルでした方がよいとか、果物や、生野菜、アイスクリームは避けた方がいいとか。これではいくらなんでもインドの方に失礼だ。マア注意するに越したことは無いけれど… 結果最初の朝食は皆さんとても慎重で、ミルクや卵類にも手を出さなかった。 

さてバスに乗りこむ時、例のオバサン後から来てさっと割り込み、一番前はガイド用と言われていたのに意に介さず一番前の席へ陣取る。勿論ツアコンがご注意しぶしぶ2列目に移動。車窓から見るニューデリーは立派な街路が続き、建物もそれなりに立派で、何しろ緑が多い。 

昨夜空港到着直後暗闇で見たスラムの印象とは大分違う。ただ聖なる牛チャンが我が物顔にあちこちたむろする原風景は健在だった。今日、11日は古都シャイブールへ。幹線道路だがあちこち工事中で、ブーゲンビリアがチョコチョコ咲いている分離帯なんかに時々出くわす。 

兎に角舗装はされている、やや広めの二車線道路なので、追い越しをしなければスピードがあげられない。で運転手君は鋭い警笛音を鳴らしつつかけ抜ける。同時に助手君は反対側から相手車両にご挨拶という手順。結構譲り合いの精神は持ち合わせているようだ。 

ちなみにバスはインド国産だそう。外観はソコソコだが、どこかに隙間があるらしく、隙間風が入ってくるし、騒音が直に聞こえる。何故か客席と運転席は頑丈な仕切りで隔てられていてまるで囚人の護送車見たいで客席から前方が見えない。乗り心地はまずまず。理解できないのは、観光バスなのに窓枠がそこかしこにがっちり組まれ、丁度目線のところに太いのが一本視界をさえぎっている。インド人はそんなに胴長なのか? 

車窓から見る農村風景は、秩序だった田畑を見慣れている目には、未だ粗放農業の段階に見える。インドの農村人口は総人口の60%とか。現在(2000年当時)人口10億との事だから6億が農業従事者だと言う。何だか空恐ろしい。コレが貧困の中でも決定的な飢餓が発生しない秘密かも… 

道路はマア大変。トラック、バスを筆頭に乗用車、バイク、自転車がからむ。でもぎっしりではない。ソレを縫って、まず人間、牛、ラクダ、羊、山羊、サル、犬が入り乱れる。殆ど放し飼い状態に見えるのに、どうして飼い主は区別するのだろうか?逃げないのだろうか?不思議なことに馬と猫が殆ど見当たらない。牛のウンコが丸く押しつぶされ燃料用なのか壁に貼り付けられて日干しにされているのがここかしこで見られた。 

後感心したのが農産物を積んだトラック。もう満載なんてものじゃない。大きな袋状のものに詰め込んだ農産品を、丁度ロバやラクダの背に振り分け荷物よろしく積む荷物の様に、トラックの左右にだらりとはみ出した形で乗せ、更に上へ積むと言う、考えられないくらいの過積載。それでもひっくり返らないのはそういう風に作られた特別仕様のトラックなのか。 

そうこうする内に、今日の目的地ジャイブールの北9kmに位置する山城アンベール城に着く。老人グループを慮ってか?象のタクシーに乗せてくれる。僕ら4人の乗ったのは一番だったのに後の全部に抜かれてもなおも悠々としたペース。御者は頭に来ていたが…ここでも象さんのウンコは即肥料になるみたい。 

物乞いの類は殆ど見かけない。例によってまず物売り集団が殺到。城に着くまでひっこく迫る。上に近づくにつれ¥1000で売る個数が増える。流石ベテラン?の多い今回のメンバー誰も買わない。城の内部へ入る直前がクライマックスで一斉に値下げ。何名かの方は根負けして買った模様。後で判明したが敵もさるもの、個数を増やして値下げしたかに見えたが、ホテルで確認したら、個数が足リなかったり、木製がプラだったり、きちんと縫製出来ていなかったり。 

万里の長城のミニ版のような城壁が山並みを縫いかつては州都であったとか。暑さ対策で上手く風の流れを利用した構造が目を引いた。「鏡の宮殿」と称する部屋では一旦暗くして、ろうそくの灯ではめ込んだ鏡のきらめきを見せたりする。

 

象のタクシーで登城

色んな物を売ってました

象のタクシー乗り場

 

城壁はずっと上まで続く

シャイプールへの途中水上宮殿を見た。湖の中に浮かぶ一見夢のお城と言いたかったが、近くで見ると水はけが悪いのか殆ど汚水状態。水草がびっしりでお世辞にも住みたいとは思わない。これでも暑い時期には心地いいのだろうか?

水上宮殿

笑ったのはバスの中である女性、夕刻近く外を見つつ「やっぱりインドは貧しいんやね。電灯が少ないからか街が薄暗いわ」と仰る。で「窓ガラスは濃いめの色ガラスだからチョット開けて見たら」とアドバイスしたら「あらッ イヤー アカるうー」とえらい驚きよう。まあ旅の見聞記なんてこう言う事も多いと言う一例。

 

コメント (1)
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